茨城県内景気「緩やかに回復」 3カ月連続据え置き 7月 日銀水戸 

経済情報

日銀水戸事務所は5日発表した7月の金融経済概況で、茨城県内景気について「一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復している」とし、総括判断を3カ月連続で据え置いた。個人消費はペースを鈍化させつつも、賃上げなどで所得環境が改善し、緩やかな増加を続けている。

個人消費では、百貨店・スーパー販売額(5月)が2カ月連続で前年を下回った。家電販売は、気温上昇で季節家電の売れ行きが好調なことから、持ち直しの動きがみられた。

住宅投資では、新設住宅着工戸数(5月)は分譲が前年を上回った。一方、資材高の影響で持ち家・貸家系が前年を下回り、基調としては弱い動きとなった。ただ一つ判断を引き上げた公共投資は、公共工事請負金額(5月)が4カ月連続で前年を上回った。

雇用・所得環境は現金給与総額(4月)は前年を下回ったが、所定外労働時間と常用労働者数(同)は前年を上回り、全体としては緩やかに改善している。

稲見征史所長は「所得環境は緩やかに改善しているが、物価上昇と賃上げの好循環が今後も強まるか注視していく」と述べた。

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