5人に1人が注文住宅に「不満」があると回答
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住まいづくりは多くの人にとって人生に一度きりかもしれない大きなイベントなので、絶対に後悔のないようにしたいものです。
しかし注文住宅を建てて何かしらの後悔をしている方がほとんどだと思います。
特に間取りや設備などに関する不満を耳にすることがよくあります。
全国でおすすめのハウスメーカー情報や家を建てる際の基礎知識を紹介している情報サイト「おうちパレット」の調査によると、注文住宅で失敗した設備・場所ランキングの上位は以下のようになっています。
- 1位:収納・クローゼット(収納スペースが足りなかった等)
- 2位:トイレ(トイレの位置や数)
- 3位:お風呂(もう少し広くしておけば良かった等)
- 4位:和室(作る必要がなかった等)
- 5位:キッチン・台所(もう少し広くしておけば良かった等)
<調査概要>
- 調査名:注文住宅に関するアンケート
- 調査日:2021年4月23日~4月30日
- 集計対象:男女3000人
- 調査機関:アンケートサイト「ボイスノート」
- リリース公開日:2021年5月21日
今回は東京都で「5600万円の注文住宅」を購入した夫婦の体験談から、後悔したポイントと満足したポイントを紹介します。
次のような方の実際の体験談です。
- 【居住地】 東京都
- 【購入金額】 5600万円
- 【現在の年齢】 40歳代
- 【購入時の年齢】 30歳代
住宅の専門家である筆者の視点から解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
注文住宅の後悔ポイント1:お風呂のテレビは使わなかった
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「お風呂にテレビを設置したが使ったのは初めだけで、現在はほとんど使用していない」
浴室にテレビを設置すると、浴室内で好きな番組を見ながら半身浴でゆっくりとくつろぐことができるメリットがあります。
一方では入浴時間が長くなるので家族の人数が多くなるとなかなか自分の番が回ってこない、故障時には大きな出費になる、そもそも半身浴や長風呂をする習慣がなかったので次第に使わなくなった、などのデメリットもあります。
したがって採用するかどうかを事前に良く検討する必要があります。
注文住宅の後悔ポイント2:キッチンの高さが合わなかった
「キッチンの高さが家族の身長に合っていなかったため、それが大きなストレスになったり、腰痛の原因になったりしてしまった」
とくに主婦はキッチンの前に立つ時間が長いので、キッチンの高さは非常に重要です。
キッチンの最適な高さは、一般的に「身長(cm)÷2+5cm」または肘の高さから10~15cm程度下が目安とされています。
しかし個人差もあるので、事前にキッチンメーカーのショールームなどで実際の商品を見て確認することをおすすめします。
注文住宅の後悔ポイント3:玄関照明のスイッチが遠い
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「玄関照明のスイッチを玄関に入ってから少し遠いところに設置してしまったため、不便さを感じている」
照明のスイッチの位置は、住まいのプランニングをすすめる上ではどうしても優先順位が低くなって見逃されやすくなります。
そのため実際に暮らし始めてから後悔している人が多いといえるでしょう。
したがって「その空間の中で自分がどう動くのか」を事前に良くシミュレーションしておくことが非常に重要になります。
玄関であれば靴を履いた状態でも、スイッチに手が届くようにしておく必要があります。
必要に応じて3路スイッチ(照明の消灯と点灯を2か所のスイッチのどちら側からでも切り替えられるスイッチ)にする方法があります。
注文住宅の後悔ポイント4:駐車場が狭すぎた
「駐車場が狭くて車の出し入れがしにくく、自転車置き場も狭い」
自宅の庭に駐車場を作る際には、単に車1台分のスペースを確保するだけでなく、ドアの開閉のしやすさや駐車のしやすさ、荷物の積み下ろしのしやすさなどを考えて必要な広さを確保することが大切です。
また車だけでなくバイクや自転車を所有しているのであれば、1台につき1m×2m程度のスペースを目安として確保しておく必要があります。
注文住宅の後悔ポイント5:ウォークインクローゼットをもっと広くすればよかった
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「思いのほかウォークインクローゼットに服が入らないので、洋服の整理整頓にひと苦労する」
ウォークインクローゼットの広さの目安はクローゼット内に収納するモノの種類やサイズによって異なりますが、夫婦2人分の場合であれば最低でも2畳程度の広さが目安になります。
そのため必要な床面積を確保することができない場合には、一般的なクローゼットを複数箇所設置した方が効率よく収納できる場合があります。
次章からは、「注文住宅の満足ポイント」をご紹介していきます。
注文住宅の満足ポイント1:吹き抜けは開放感があっていい
「開放感を出したり、空間を有意義に使ったり、遊び心を感じたり……吹き抜けのある家はとても心地が良い」
吹き抜けがある家は開放感があって自然光を採り入れやすく、家族とのコミュニケーションが容易にとれるのがメリットです。
一方、冷暖房が効きにくくて光熱費がかかる、音や臭いが伝わりやすい、耐震上不利になるなどのデメリットがあります。
したがってメリットとデメリットを良く理解した上で、吹き抜けを設けるかどうかを検討することが大切です。
注文住宅の満足ポイント2:玄関収納にこだわった
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「玄関の収納にこだわったため、靴や雨具はもちろん自転車やベビーカー、ゴルフバックなど屋外で使用するアイテムをまとめて収納できる」
玄関に収納したいものは靴以外にもさまざまなものがあります。
したがってシューズボックスのほかにクローゼットやシューズクローク(土間収納)などがあると玄関内がきれいに片付いて、宅配の荷物などの仮置き場としても便利です。
注文住宅の満足ポイント3:土間が意外と便利だった
「靴のまま出入りできる土間があるので、ガーデニングや釣りなどの趣味部屋として活用したり、ペットと楽しく過ごせたりして、唯一無二の生活を提供してくれる」
屋内であっても土足のまま出入りできる土間は、スポーツ用品・アウトドア用品の収納スペースやペットの遊び場など、汚れを気にせず趣味を楽しむ空間として活用することができます。
注文住宅の満足ポイント4:ウッドデッキがお気に入り
「オプションでウッドデッキを追加したことで、より充実したマイホームライフを満喫することができた」
ウッドデッキがあると子供やペットの遊び場としてや家族が集まってのバーベキュー、ガーデニングなど、屋外のリラックス空間としてさまざまな用途があります。
一方、定期的なメンテナンスが必要になるので、この点には注意が必要です。
注文住宅の満足ポイント5:無垢材を使用した
「家族が集まるリビングやダイニングに天然の樹木から切り出した無垢材を使用したので、消臭・除菌効果のほかにリラックス効果も抜群で満足している」
無垢材は自然の風合いを味わうことができると共に、調湿作用があるので室内の湿度を調整してくれるメリットがあります。
一方ではコストが高くなりがちで、板が反ったり割れたりしてしまうことがあります。
このことから、無垢材ならではの変化を楽しみながら暮らすことができる人に向いているといえます。
まとめ
2018年(平成30年)に国土交通省住宅局が実施した住生活総合調査結果によると、持ち家の住宅に対する不満率は「非常に不満」と「多少不満」とを合わせて18.8%になっています。
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ほとんどの世帯は満足しているとはいえ、5人に1人は何らかの不満を抱えているとなると、不満率は決して低くありません。
注文住宅を建てる際には、間取りや設備の良し悪しが満足度を決める上で極めて重要なポイントになります。
しかし必要な部屋の数や用途、家族構成、ライフスタイルなどは人によって異なるので、どのような間取りや設備が適しているのかは一概にはいえません。
したがって他の人の体験談などを参考にしながら、自分にとって最適な間取りや設備を検討することが大切です。
本記事がマイホームづくりの参考になれば幸いです。
参考資料
- 国土交通省「平成30年 住生活総合調査結果」
- おうちパレット「注文住宅に関するアンケート」