「潜在能力は朗希に匹敵」の中日次期エース候補 投球フォーム崩壊から「マダックス達成」の秘密

高橋宏斗(C)共同通信社

圧巻の投球だった。

5日の広島戦に先発した中日の高橋宏斗(21)が4安打7奪三振の完封勝利。唯一のピンチだった五回1死三塁の場面も、堂林を146キロのスプリットで空振り三振、床田を155キロで一ゴロに打ち取った。最速156キロの速球を軸に凡打の山を築き、球数は99球。100球未満での完封勝利、「マダックス」のオマケつきである。

これで今季5勝1敗。規定投球回数には満たないものの、10試合に投げて防御率は驚異の0.64と無双状態だ。

評論家の橋本清氏がこう言う。

「尊敬する山本由伸(ドジャース)の影響を受けて、毎年のように投球フォームを試行錯誤。今春のキャンプでも、左足をすり足気味に踏み出す投法を取り入れたものの、しっくりいかず、一時は〝どうやって投げればいいかわからない〟と言うほどの状態に陥った。結局、開幕を二軍で迎え、一軍に昇格したのは4月28日。どうなることかと首脳陣を心配させたものの、戻ってきたらこの快投ですからね。回り道をしながらも、結果につなげられるのはセンスがある証拠。186センチ、86キロの身体を本当に上手に使う。投手としてのポテンシャルはロッテの佐々木朗希に匹敵します」

すでに、複数のメジャースカウトから熱視線を送られているが、それも当然か。

◇ ◇ ◇

日刊ゲンダイで毎年好評の「ドラフト家庭の事情」(2020年版)では中日から高橋をピックアップ。高校時代から甲子園の力投でファンの心を掴んできた高橋は、「根性キャラ」かと思いきや、昔はそうではなかったらしい。恩師や母・尚美さんが語る高橋の「意外な素顔」、尚美さんが愛用していた「泥落としの洗剤」とはいったいどのようなものなのか。

●関連記事【高橋を知る】…では、それらについて詳しく報じている。

© 株式会社日刊現代