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日本時間5日、大谷翔平(ドジャース)が30歳になったことを受けて、巷に祝福コメントがあふれている。
スポンサー企業の日本航空、コーセー、西川などはSNS上で誕生日を祝い、メディアも「世界中がおめでとう」などと騒いでいる。
孔子の論語には「三十にして立つ」とあるものの、大谷はすでにプロスポーツ界で最も稼ぐスーパースター。ただ、体が資本のスポーツ選手にとって、30歳はひとつの節目ではある。
大谷は28歳だった2年前、スポーツ誌「ナンバー」のインタビューで、30~35歳の間に技術と肉体がマッチして、野球人生最高のパフォーマンスを発揮できる時期がくるという感覚は以前と変わらない、と答えていた。
しかし、昨年2度目の右肘手術をしたことによって、感覚は微妙に変化したのではないか。
大谷がドジャースと10年1000億円超の契約を結んだことについて、ごく近しい人は「10年契約って……ホントに(二刀流を)10年間もできると思っているんでしょうか……」と言ったという。投打の二刀流はただでさえ負担が大きいだけに、30歳を迎える年から10年契約を結んで大丈夫なのかと大谷の今後を心配したのだろう。
実際、大谷は昨年末、NHKの取材で、「ピッチャーとしては2度目の手術なので、おそらくもう一度、同じ症状になったら、配置転換。他のたとえば野手、どこのポジションか分からないけど、そういうふうになる」と話している。次に右肘靱帯を損傷したら投手を断念することになると示唆したのだ。
ドジャースの入団会見では、「野球選手としていつまでプレーできるかはだれにも分からないですし、勝つことが僕にとっていま、一番大事なことかなと思います」とコメントした。
大谷が公然と「いつまでプレーできるかわからない」などと野球選手としての〝終焉〟を意識したような発言をしたのはおそらく初めてだ。
エンゼルス時代の6年間で2度、MVPを獲得、二刀流でフル回転しながら、その間、チームはプレーオフに進めなかったどころか、シーズンを勝ち越した経験すらない。
大谷はFAでドジャースを選んだ理由について、「彼ら(ウォルター・オーナーやフリードマン編成本部長ら)は『この10年間、ドジャースが経験したことは成功だと思っていない』とおっしゃられていたので、皆、それだけ勝ちたいという気持ちが強いんだなと思います」と言った。11年連続でプレーオフに進出している常勝球団のトップが、現状に満足していないことが球団を選ぶうえで重要なポイントになったというのだ。いつまでプレーできるか分からない自分に、回り道をしている余裕はない。いますぐにでも勝つ確率の高いチームでプレーしたいと考えたのだろう。
5日現在、本塁打(27)は2位に5本差をつけてリーグトップ。打率(.316)はトップと1厘差の2位。打点(64)はトップと6差の3位だ。
メジャー7年目にして三冠王を狙えるところまで上り詰めた大谷が、一方で二刀流を断念せざるを得ない状況まで想定している。あるいは30歳になり、老いを自覚する部分もあるに違いない。
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そんな大谷だが、開幕当初から指摘されてきた勝負弱さは相変わらず。チャンスに限れば平凡な打者になってしまう。 本人は力みを否定しているが、得点圏では「悪癖」が出てしまうのだ。いったいどういうことか。