【いつモノコト】小学校の運動会の進行状況をLINEオープンチャットで共有してみた

by 島田 純

子どもの通う小学校のプログラム進行状況をLINEオープンチャットで共有しました

子どもが通う小学校の運動会で、運動会のプログラム進行状況をLINEオープンチャットで共有しました。ここ数年の運動会は、新型コロナへの対策で学校全体での開催ではなく学年毎の開催になったり、そもそも中止になったりした学校もあると聞きます。こうした事情もあって、全学年での運動会を数年ぶりに開催する。という学校も多いのではないでしょうか。

筆者の子どもが通う小学校では、昨年度から全校での運動会が再開されましたが、数年ぶりの全校規模での開催という事情もあってか、予定よりも実際の進行が大きく遅れてしまいました。公立小学校のため、多くの家庭は徒歩圏内に家があります。また、校庭スペースは手狭なこともあり、全学年の競技を見る保護者は少数派で、「自分の子どもが出るタイミングに合わせて見に来る」という保護者が多いです。

こうした背景から、プログラムが予定時刻より遅れてしまうと、「予定時間に合わせて来たけど、まだ自分の子どもの競技が始まっていなかった」というケースが発生します。仕事の休憩時間で学校まで見に来たり、兄弟姉妹の習い事などの送迎のタイミングを調整して観覧している場合は、スケジュールの遅れによる影響が大きい課題がありました。

これまでは、仲の良い保護者同士で個別に「いま、何年生の競技?」など連絡しあって、自分の子どもが出場するタイミングを確認していましたが、これでは連絡する保護者も連絡を受ける方にも手間がかかります。何とかこれを改善することはできないかと思い、学校側と相談のうえ、保護者の有志で運動会のプログラム進行状況を通知する、LINEのオープンチャットを作成・運用することにしました。

運動会プログラムの横で進行状況を通知するLINEオープンチャットを告知

いつものLINEで匿名参加

LINEオープンチャット以外の選択肢として、保護者への連絡に使っている一斉メール配信システムもあります。しかし、このシステムは配信の都度、配信対象となるグループ設定などを行なう必要があり、1日に何度も更新が必要になるプログラム進行状況のお知らせには向きません。

そうした理由から、個人的にはセキュリティ面や組織のガバナンス面でもろもろの懸念を感じつつも、小学校の保護者同士の連絡ではLINEが必須ツールとなっており、新たにアプリをインストールしてもらう手間が省けることなどから、LINEのオープンチャットを選びました。

LINEを使って運動会のプログラム進行状況をお知らせすることは、先だって運用している一斉メール配信システムで、LINEオープンチャット登録用のURLをお知らせしたのですが、一斉メール配信システムをアプリで利用していると、LINEオープンチャットに正常に遷移できない問題がありました。

この問題は、保護者同士で個別に繋がっているLINEなどで参加用URLを共有してもらうこと、運動会のプログラム横にチラシを作ってQRコードを貼り付けするなどで解決しました。

LINEオープンチャットは、普段使っているLINEのアカウント情報とは切り離して、好きなユーザー名やアイコンで参加できるグループチャットです。参加者を広く募集するオープン型の運用のほかに、本稿で紹介するように特定のグループで運用することを目的にする場合は、検索対象とならないように運用することも可能です。

運用上で工夫したことは、全校児童の保護者を対象にするため、「新しいメンバーの参加」や、「メンバーが退出」など、オープンチャットへの参加/退出などに関する通知を全てオフに設定して、オープンチャットへの参加や退出に関する通知が山のように表示されるのを防いだこと。

オープンチャットの設定画面。検索非対象、オープンチャットへの参加/退出などに関する通知を全てオフにするなど設定しました

また、参加者を個別に識別・把握することが目的ではなかったため、「自由な名前でご参加ください」ということを明記したことです。細かい集計はとっていませんが、本名らしきユーザー名で登録していた保護者は少なかったようです。

運用開始前は、保護者同士でもめ事が起きたりしないといいな……。など、要らぬ心配をしたのも事実ですが、蓋を開けてみると、運動会の前の晩から当日の昼食に関する質問(給食あるよね?)とか、持ち物に関して学校からの案内プリントでわからなかった点を保護者同士でやりとりして解決するなど、連絡ツールとして機能したようで、そうした場所を提供できてよかったなと思います。

運動会当日の工夫は、プログラムが終了した時点で次のプログラムの開始アナウンスをするのと同時に、さらにその次のプログラムの開始アナウンスを下書として入力して、送信ボタンを押すだけにしておいたことです。ちょっとした工夫ですが、プログラムが終了したら急いでアナウンスをしなきゃ……と焦る必要がなくなり、運動会の観覧に集中できました。

各プログラム開始のタイミングで送信

初めての取り組みでしたが、運用回りでも保護者同士のトラブルもなく、無事に運用を終えられた上に、無料で運用することができました(細かく言えば、通信コストはゼロではありませんが……)。

運動会の開催中や、後日保護者会などで顔を合わせた保護者から、「とても助かった」という声が多く寄せられました。運動会だけに留まらず、今後は地域の夏休みラジオ体操の雨天中止時連絡などにも活用できそうです。

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