川重問題「疑惑招く行為あれば遺憾だ」官房長官

 川崎重工業が下請け業者との架空取引で裏金をつくり海自潜水艦乗組員らに金品や飲食接待した疑惑を巡り、裏金づくりでの「過払い」がなかったか、防衛省が調査している状況について、林芳正官房長官は4日午後の記者会見で「予算の適正な執行に対する国民の疑惑を招く行為があったとすれば極めて遺憾だ」と語った。

 林官房長官は「これまで以上に厳格な予算執行を行っていくことは当然」とした。林官房長官は「川崎重工業から防衛省に対し潜水艦修理契約に関し、同社と取引先企業との間での架空取引や海上自衛隊隊員への金品の提供や飲食接待など不適切行為があった旨の通報が4月にあったと報告を受けている」とした。

 そのうえで「通報を受け、防衛省で不適切な架空取引の状況や自衛隊員の規律違反の疑いの調査、架空取引にかかわる過払いの有無を調査していると承知している」とした。裏金は6年で10数億円に上るとみられ、徹底した浄化ができるかどうかが問われる。

 林官房長官は「力による現状変更の深刻化や北朝鮮による度重なる弾道ミサイル発射など戦後最も厳しく複雑な安全保障環境の中で防衛力を抜本的に強化する決断した」と5年で43兆円の防衛費を当てている背景を強調。そのうえで「これまで以上に厳格な予算執行を行っていく」とした。(編集担当:森高龍二)

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