岩手県の最低賃金改定の議論開始 全国最下位から脱却が焦点

岩手県の最低賃金と引き上げ額

 岩手地方最低賃金審議会(会長・丸山仁岩手大教授)は5日、最低賃金改定の議論を始めた。物価上昇が進む中、引き上げ幅や全国最下位から脱却するかが焦点となる。大幅な増額を求める労働者側に対し、使用者側は円安や資源高で中小企業の経営は厳しいと主張し、交渉は難航も予想される。8月下旬の答申、10月下旬の改定を見込む。

 岩手地方審は盛岡市内で会合を開き、岩手労働局の粟村勝行局長が丸山会長に諮問書を手渡した。委員は労働者、使用者、公益代表の計15人で構成。中央審議会(厚生労働省の諮問機関)が都道府県ごとの目安額を今月下旬に示す予定で、地方審はそれを基に議論を本格化させる。

 本県の最低賃金は現在893円。2023年度の改定で過去最大の39円増としたが、全国最下位となっている。最も高い東京都が1113円で、本県とは220円の差があり、地域間格差の是正も論点になる。

© 株式会社岩手日報社