異次元過ぎる“海外人気”が凄い…『グレンダイザー』半世紀来にリブート新作が開幕!逸話と見どころを監督が熱弁

※写真は7月4日開催の先行上映プレミア(サウジアラビア・リヤド)

永井豪原作による名作ロボットアニメ「UFOロボグレンダイザー」について、新作リブート作品『グレンダイザーU』が7月5日(金)よりテレビ東京系列にて放送がはじまった。実に約50年ぶりとなる復活を遂げた本作だが、去る6月28日には新作アニメのPRイベント「つづきみ」内でトークステージが行われた。

【画像】是非とも実物を見てみたい…巨大立像や「グレンダイザー」イメージしたイタリアの祭り(イベント画像)

「UFOロボグレンダイザー」は永井豪原作によるマジンガーシリーズ第3作として、1975年から1977年まで全74話にて放送されていたアニメ作品。当時より国内で注目を集め、現在も世界中に根強いファンがいる同作から、この度半世紀以上の時を経てリブート作品として新作アニメの放送が実現。

そんな本作より、同イベントにはゲストとして監督の久藤瞬氏、宣伝プロデューサーの岡和田一輝氏が出席。作品の魅力や制作秘話が語られた。まず、岡和田さんからは今回の新作放送におけるシリーズを取り巻く現状について「世界に目を向けるととんでもない事になっている」として、海外での驚異的な逸話が取り上げられた。

海外での驚異的な人気

特に中東地域での人気は「日本のアニメファンの想像をはるかに超える規模」だといい、サウジアラビアの首都リヤドでは高さ33.7メートルに及ぶ「グレンダイザー立像」が建立。世界最大の架空のキャラクターの金属製彫刻としてギネス世界記録に認定されており、像の前で写真を撮る人々の姿が絶えないという。また、岡和田さん曰く、永井先生がサウジアラビアに訪れるならば国賓待遇で迎えられるといい、その熱烈な支持を受けていることが紹介された。

人気は中東のみならず、かつて「視聴率100%」を獲得したフランスを筆頭に欧州圏でも健在。中でもイタリアでは「グレンダイザー」を主役としたお祭りまでもが開催されているといい、紹介された2019年の写真では、巨大なグレンダイザーの模型が海辺の街中を闊歩するパレードが行われた様子が。この異様な光景にはイベントにて司会を務める吉田尚記アナウンサーから「AIに作らせた画像?」と疑ってしまうほど。

そして最後にはイラクの事例を紹介。宗派や民族間での紛争の絶えないイラクだが、現地では「国民が唯一共に楽しめる話題がサッカーかグレンダイザーしかない」という冗談が存在したり、「新イラク」国旗のデザインを巡る議論の中では、グレンダイザーを描いた画像がネット上で話題になる事態にも発展したという。

こうした世界中での支持はもちろん新作『グレンダイザーU』にももたらされているといい、放送2週間目時点でのアラビア語版のプロモーション映像は280万回、英語版も100万回近い再生回数を記録するなど、その期待度が現れている。

ちなみに、本作の中東圏展開はサウジアラビアの現地企業である「マンガプロダクションズ」がライセンスパートナーとして行っており、実は『グレンダイザーU』の世界最速上映はリヤドで開催されていた。上映会にはシリーズ構成・脚本の大河内一楼氏も出席し「新しい物語はここリヤドから始めることにしました」「この新しいグレンダイザーを僕らは新しい世代に届けたいと思っています。かつて横に広がったグレンダイザーを縦に」とコメントしていた。

右から、グレンダイザーU 脚本・構成担当の大河内一楼氏、マンガプロダクションズCEOイサム・ブカーリ、プロデューサーの柏木豊氏

豪華制作陣とアーティスト

そんな世界から心待ちにされている本作だが、ファンからの期待に応えるべく制作スタッフは豪華な顔ぶれを揃えているともアピール。

総監督には「機動戦士ガンダムSEED」「新世紀GPXサイバーフォーミュラ」等を務めた福田己津央氏、キャラクターデザインには「新世紀エヴァンゲリオン」「サマーウォーズ」を歴任した貞本義行氏、そして脚本には「機動戦士ガンダム 水星の魔女」「コードギアス反逆のルルーシュ」を担当した大河内一楼氏と、日本の名だたるプロフェッショナルが集結する。

あまりにも“濃すぎる”制作陣について、皆さんを束ねることへのプレッシャーについて問われた工藤監督は「メンバー全員が気合が入りすぎる」「永井豪愛が強すぎ」と分析し、それぞれの持つ愛もまた方向性が違うことから、バランスを保つのが難しかったと当初の印象を振り返り。「お願いの仕方のコツを掴めばよりすごいチームになる」と手応えを感じた後は、苦労はなくなったという。

楽曲面についても、映像に見劣りしないキャスティングを行っていることも話題に。オープニングテーマは30周年を迎えた日本のロックバンドGLAYが、エンディングテーマは近年欧州で注目を集めるハードロックバンド・BAND-MAIDが務める。工藤監督はこの音楽という側面において「想像を超えてきた」という印象を持っていた事も伝えた。

そしてキャラクターについて、新作では「デューク・フリード」が初期作とは違う印象になっていることに触れ、半世紀の時を経たことから「今の視聴者が見てもらいやすいような」時代に合わせたキャラクター性になっているとしつつも、受け継ぐ点は受け継ぎ新旧ファンが楽しめるような配置になっていると説明していた。

「グレンダイザーU」はテレビ東京にて7月5日から放送開始、同日よりプライムビデオでの配信も始まる。また、コミカライズ「グレンダイザー The Inception」も連載がスタートし、アニメ放送開始にあわせて盛り上がりを見せている。

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