家賃は手取り額の「3分の1以内」らしいですが、都心に住むなら難しくないですか?家賃が目安を超えたらデメリットはありますか?

給料に対する家賃の目安はいくら?

家賃は給料の「3分の1以内」におさえることが理想といわれています。この場合、社会保険料や税金などが差し引かれた「手取り額」を基に計算する方が現実的であると考えられます。

また、管理費や共益費・駐車場代も家賃に含めて計算した方がいいでしょう。会社から住宅手当や家賃補助を受けている場合は、手取り収入に含めることをおすすめします。

例えば、手取りが20万円であれば家賃は6万7000円前後、25万円であれば家賃は8万3000円前後が目安です。住んでいるエリアによっては目安の範囲内で物件を探すことが困難な場合もあるため、その場合は給料の3分の1を超えてしまうかもしれません。

その場合は、手元に残るお金がいくらになるかを計算してみましょう。家賃を差し引いて手元に残ったお金から、水道光熱費や通信費・食費などを支払わなければなりません。それらをすべて支払った後、手元にお金が一切残らないようであれば、生活を見直した方がいいでしょう。

一人暮らしの1ヶ月の平均支出は?

給料から家賃を差し引いたお金で1ヶ月の生活費が足りるのかを確認するために、一人暮らしの1ヶ月の平均支出を調べておきましょう。

総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、2023年の単身世帯における1ヶ月の消費支出は16万7620円で、主な内訳は表1のようになっています。

表1

※総務省統計局「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」を基に筆者作成

上記から住居費を差し引くと14万3801円となります。例えば、手取り額が25万円の人がその3分の1の金額である8万3000円を家賃に充て、残った16万7000円から必要な生活費である14万3801円を引くと、手元に残るのは2万3000円程度になります。

家賃が目安を超える場合のデメリット

家賃が目安である「手取り額の3分の1」を超えた場合には、さまざまなデメリットが想定されます。

まず、生活自体は成り立つとしても、貯金ができなくなる可能性があります。貯金がないと、想定外の出費が発生した際に対応できなくなるおそれがあるでしょう。突然のけがや病気で働けなくなるようなことがあれば、途方に暮れてしまうことになるかもしれません。

また、手元に残るお金が少なければ、貯金ができたとしても、生活の質を落とす必要性が出てくる可能性もあります。食費や交際費を削らなければならなくなり、ストレスのたまる生活を送ることになるかもしれません。

家賃は手取り額の3分の1以内におさえることが理想

「家賃は手取り額の3分の1以内におさえることが理想」といわれているため、もし「給料の半分が家賃に消えてしまう」という状態だと、貯金ができなかったり生活の質を落とさなければならなかったりする可能性があります。

まずは、1ヶ月あたりの平均支出を計算してみたうえで、家賃にいくら充てても問題なく生活が成り立つのか、その場合、いくら貯金に回せるのかを確認してみるといいでしょう。

出典

総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)(15ページ)

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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