西日本豪雨から6年 遺族たち犠牲者悼む 広島の被災地に献花台 防災への誓い新たに

広島県熊野町の大原ハイツで亡き妻たちの遺影を並べ、手を合わせる男性。妻が好きだったアジサイを手向けた(6日午前11時57分)

 中国地方で災害関連死を含む251人が亡くなり、平成最悪の豪雨災害になった2018年7月の西日本豪雨は6日、広島、岡山両県を中心に大規模な被害が発生してから6年を迎えた。広島県では今年から市町による追悼式がなくなった。広島市や広島県坂町などに設けられた献花台には遺族や被災者が訪れ、犠牲者を悼み、教訓を受け継ぐ誓いを新たにした。

 坂町小屋浦の町自然災害伝承公園では、豪雨の犠牲者の名前を刻む水害碑の前に献花台が置かれた。午前10時、遺族や町民たちが黙とうし、花を手向けた。両親を亡くした出下猛さん(55)=同町=は「もう6年なのかという思い。自分も含めて家族を亡くした人間は時間が止まり、何年経っても悲しみは消えない」と話した。

 昨年で追悼式を終えた広島市は安芸区など4区に献花台を設けている。広島県熊野町の大原祈念公園にも献花台が据えられた。

 西日本豪雨は線状降水帯が記録的な大雨をもたらし、各地で土石流や河川の氾濫が起きた。中国地方では広島県が153人、岡山県は95人、山口県は3人が亡くなり、広島県5人、岡山県3人の行方が分かっていない。

広島県坂町の町自然災害伝承公園にある水害碑の前で手を合わせる人たち

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