カブトムシの里30周年 花巻・ふれあい童夢 7日から今季営業【岩手】

7日に今季営業を開始する「カブト虫ふれあい童夢」。初日は30周年に合わせ、各種イベントを実施する

 花巻市東和町の町井サイカチとカブト虫の里管理組合(薄衣忠孝組合長、組合員6人)が運営する「カブト虫ふれあい童夢(ドーム)」は、7日に今季営業をスタートする。自然に近い環境でカブトムシを観察できる人気スポットは、今年で事業開始から30周年。初日は節目を彩るイベントも計画しており、組合では事業の継続によるさらなる地域活性化と、子どもたちの豊かな心の成長を願う。

 カブトムシの里づくりは1994年に旧東和町が展開した「冷害克服知恵比べ実行事業」で、町井集落の若だんな会が「カブト虫に触れ合える場所を作り、子どもたちに夢を与えたい」と提案したのがきっかけ。96年に念願の「カブト虫ふれあい童夢」を開業。増え続ける来場者に対応するため、2005年に国土交通省の水辺プラザ事業に合わせ、猿ケ石川沿いの現在地に広さ約700平方メートルの新しい施設を整備した。 

 ネットで覆われた敷地内にはサイカチやクヌギなど約30本の樹木が植栽され、カブトムシが成虫になる1カ月間、常時数百匹を放し飼いにした状態で土日・祝日のみ営業する。年間で5000~6000人が来場し、地域振興や夏場の観光にも役割を果たしている。 

 今季の営業は8月4日までで、時間は午前9時~午後5時。初日は午前9時30分のセレモニーの後に開園となり、30周年に合わせ、ビンゴ大会やカブトムシのタイムレース大会、カブトムシ釣り大会、ボディコンテストなどを実施する。

 “カブトムシの里”として長年親しまれ、自然との共生や命の大切さなどを伝えている施設について、薄衣組合長は「子どもの頃に訪れた人が、大人になってから今度は自分の子を連れて来たこともあり感動した。生き物に触れる経験は情緒を豊かにし、子どもたちの健やかな成長や、思いやりのある人間性を育むことにつながると信じている。次の世代へと引き継いでいきたい」と思いを語る。

 入場料は中学生以上が300円、小学生は100円、未就学児は無料。カブトムシは雄400円、雌200円で買い取りでき、オオクワガタやノコギリクワガタも数量限定で販売する。

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