「忘れてはいけない日」豪雨で入所者14人が犠牲となった熊本・球磨村の千寿園 住民が竹灯籠に明かりともす

4年前の7月豪雨で入所者14人が亡くなった熊本・球磨村の特別養護老人ホーム『千寿園』の跡地で、7月4日夕方に地元の住民が竹灯籠に明かりをともし、犠牲者を悼んだ。「あの日を忘れず語り継ぐ」、そんな思いが込められている。

7月豪雨で14人が犠牲となった千寿園

小川集落の住民は「一日も忘れられない日」と、集落が豪雨に襲われた4年前の7月4日について語る。

4年前の豪雨で、熊本・球磨村渡地区にあった特別養護老人ホーム・千寿園は、近くを流れる球磨川の支流があふれ、1階部分が水に漬かった。災害当時、小川集落の住民は「車いすの方は、4人で2階に避難させたり、毛布を簡易の担架にして2、3人で2階に上げた」と答えている。

以前から施設と一緒に定期的に防災訓練をしていた渡地区の小川集落の住民らが駆け付け、入所者の避難を手伝ったが入所者14人は命を落とした。

集落で7月4日は「災害から学ぶ1日」

7月4日夕方、千寿園の跡地ではあの日、避難を手伝った住民など、約20人が手作りした14個の竹灯籠に明かりをともし、犠牲者に黙とうし祈りをささげた。小川集落では、7月4日を「災害から学ぶ1日」と位置づけ毎年、竹灯籠を設置している。

小川集落・自主防災会の小川豊明会長は「忘れてはいけない日。大きな災害で甚大な被害を受けたことを伝えていくことが必要」と話し、小川集落の住民も「語り継いでいかないといけない」と、記憶の継承の大切さを話した。

24世帯が暮らす集落では、自主防災会が中心となって定期的に避難訓練などを行い、防災力の向上を図っている。小川集落の住民は「災害が起きる前に避難の準備をするという心構えと、地域の付き合い、協力が大事だと切に思う」と話した。

7月4日は集落の水くみ場にもおよそ20個の竹灯籠が設置され、明かりがともされました。集落ではあの日の教訓をこれからも伝え続ける。

(テレビ熊本)

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