ヤ軍右腕が“NPB残留”を悔やんだ和製大砲 通算326発ハーパーと「妥当な比較」

ソフトバンク・柳田悠岐【写真:小池義弘】

「もし米国に来ていたら…」 元日本ハム・トンキンが絶賛するNPB選手

もし、彼がメジャーリーグに挑戦していれば……。元日本ハムで、ヤンキースのマイケル・トンキン投手は日本の思い出を話す時、いつも思い浮かべる選手がいるという。

「ヤナギタだ。信じられない選手だった。向こう(日本)にいる選手について聞かれる時、僕はいつも『彼がここに来なかったことが残念だ』と言っているよ。アメリカは彼のプレーに感心していただろうからね」

ツインズ時代の2016年に65試合登板したが、2017年は16登板止まり。2018年、再起の地に選んだのは日本ハムだった。「自分はどういう投手なのかを見直さないといけなかった」。開幕から守護神を任されるなど前半戦は12セーブ、防御率1.74をマークしたが、後半戦は防御率6.75と不振に。この時に強烈なインパクトを受けたのが、ソフトバンク・柳田悠岐外野手だったという。

「もしアメリカに来ていたら、スーパースターになっていただろうね。とてもいい選手だったから」。通算の対戦成績は3打数2安打。タイプ的にはフィリーズの主砲で通算326本塁打のブライス・ハーパー内野手を挙げ、「とても妥当な比較だと思う」と大絶賛した。

柳田は2019年オフに7年契約を結び、生涯ホークスを宣言した。一方のトンキンは2年契約の1年残して退団となったが、「向こうは楽しかった。学ばないといけないことはたくさんあったけどね。日本は全体的にスタイルが少し違う。向こうはパワーよりコンタクト重視のリーグで、才能ある選手が多いと思う」。

34歳の今季は4月のうちにメッツ、ツインズ、メッツと3度の戦力外(DFA)を受けてヤンキースへ。激動の4月となったが、ヤンキースでは29試合登板で3勝3敗、防御率2.25とまずまずの成績を残している。「NPBに戻る選択肢を消すことは絶対にない。私にとって素晴らしい機会だった。NPBでプレーできたことは大きかったよ」。日本ハムでの経験は決して無駄になっていない。(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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