犬に危険な『水遊び』5つ 思わぬ事故を招く要因や飼い主がすべき安全対策とは?

犬に危険な「水遊び」

水遊びが大好きな犬は多く、暑い季節は自宅のプールで遊ばせたり、海や川へ連れ出したりする飼い主さんも多いかと思います。

愛犬が楽しく遊ぶ姿を見るとつい気が緩んでしまい、思わぬ事故を招くこともあるため注意が必要です。

そこで今回は犬に危険な「水遊び」について解説します。今年の夏は愛犬と水遊びを…と考えている飼い主さんは是非確認しておきましょう。

1.無理やり水の中に入れる

「犬は水遊びが大好き」「犬は泳ぎが得意」というイメージだけで、水の中に無理やり入れる行為は危険です。

特に、普段からお風呂を嫌がる犬や、泳ぎの経験が少ない犬を無理やり水の中に入れると、嫌な経験としてトラウマを植え付ける可能性があります。

抱っこをして水の中に入れたり、前からリードで引き寄せたり、後ろから押したりしないようにしましょう。

2.長時間遊ばせる

犬の水遊びも人間と同じように、適度な休憩を取ることが大切です。

愛犬が楽しそうに遊んでいるからといって水の中で長時間遊ばせると体温が下がってしまい、低体温症になるおそれがあります。

また、炎天下の下で遊び続けると熱中症の不安も出てくるため、状況に合わせて遊ぶ時間を調整する必要があるでしょう。

3.犬から目を離す

どんなに水遊びに慣れている犬だとしても、愛犬の行動から決して目を離してはいけません。犬専用のプールで遊んでいる場合も、ドッグランと同様に飼い主さん自身がしっかり見守るのが大切です。

海のような人の多い場所で目を離すと、周囲に迷惑をかける可能性があります。また、自然の多い川ではどんなトラブルが起こるか予想できません。

自宅の庭先などでプールに入れる場合も、一瞬も目を離さないようにしましょう。

4.暑い日の水遊び

近年は猛暑日が多く、暑い日の水浴びは犬も人間も気持ちがよいものですが、つい夢中になりすぎると熱中症になるおそれがあります。

水遊びをすると体感温度が下がるため、体温が上がっていることに気付けないことも。また、プールの水温が上昇すると脱水が進んでしまうと言われています。炎天下の水遊びでは水温に注意する必要があります。

炎天下の中、長時間遊ぶのも危険です。「水遊びなら熱中症にならない」ということには決してならないため、遊ぶ際は十分気をつけなければなりません。

5.流れの早い海や川で遊ばせる

海で泳いだりするのはもちろん、犬連れでキャンプなどのアウトドアに出かけて川遊びをしたりするのも楽しいものですね。

しかし、同じ場所でも急に流れが速くなることがあるため、海や川で犬を遊ばせる際は注意が必要です。足だけ浸かって遊ぼうとしても、興奮をして水の中に飛び込んでしまう可能性もあります。ほかにもぬかるんだ岩を踏んで足を滑らせてしまうことも考えられます。

また、砂浜や川辺が熱くなっていることも多いため、犬の足がやけどしないか、その点も必ずチェックするようにしましょう。

犬と「水遊び」をする際に飼い主がすべき安全対策

愛犬と楽しく「水遊び」をするために、飼い主としておさえておくべき安全対策についても確認しておきましょう。

少しずつ水慣れさせる

まだ水に濡れる経験が少ない子犬や、初めて水遊びをする犬は、少しづつ水に慣れさせるのが大切です。

犬によって泳ぎが苦手な場合もあるので、愛犬が水に対してどのような反応をするのかよくチェックしてみてください。

水しぶきがかかっただけでパニックを起こす犬もいるので、愛犬が水に濡れても楽しめないうちは、水の中に入れるのは避けましょう。

絶対に目を離さない

愛犬が水の中にいる間はもちろん、水から出た後も決して目を離さないようにしましょう。リードから手を離さず、いつでも救出する体勢を整えておいてください。

また、海や川などアウトドアで水遊びをする際は、犬用のライフジャケットを着用させるのが望ましいです。

水遊びを終えた後は、しっかり水で愛犬についた海水や砂を洗い流し、素早く乾かしてあげることも大切です。

水中毒に注意する

暑い中で犬が水遊びをすると、水を多く飲みすぎてしまうことがあります。

大量に水分を摂取してしまうと水中毒と呼ばれる症状を引き起こし、最悪の場合は命を落としてしまうため、十分注意しなければなりません。

適度な給水は必要ですが、がぶ飲みをさせないよう気をつけてください。また、海水を飲んでしまうと脱水などの症状を引き起こす場合もあります。

ほかにも、落ちているゴミを口にしないよう、決して目を離さないでください。海水に浸かった後は皮膚がただれる恐れもありますので、しっかりシャンプーして海水を洗い流すこともお忘れなく。

まとめ

今回は犬に危険な「水遊び」について解説しました。

犬の水遊びは、安全対策をしっかり行った上で楽しく行いましょう。また、暑い場所で遊ぶ際は犬も人間も熱中症に気をつけてくださいね。

今回解説した注意点などをしっかりと事前に把握したうえで、この夏の愛犬との「水遊び」の際にぜひお役立てください。

(獣医師監修:平松育子)

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