【乗れるのは今年限り!】日本国内で最後のトロリーバス「トロバス」ラストシーズンの楽しみ方

「トロバス」ラストランは11月30日(画像提供:立山黒部貫光)

標高3,000m級の山々が連なる北アルプスを貫く、世界有数の山岳観光ルートとして知られる「立山黒部アルペンルート」。ルート内の一部を結ぶ、日本国内最後のトロリーバス「立山トンネルトロリーバス(通称・トロバス)」が、今シーズン限りで引退することが決まった。

■ラストイヤーならではのさまざまな催しを開催中

タイヤで走行するトロバスは、一見普通のバスのように見えるが、じつは電車線から電力の供給を受けて走る電車の仲間。いくつもの乗り物を乗り継いでめぐる立山黒部アルペンルート内の、室堂駅から大観峰駅間を走っている。

1996年からトロバスを運営する立山黒部貫光によると、車両の更新時期が来たことと、部品の高騰が運行廃止の一因だそうで、来年以降は環境に優しい電気バスに替わる予定だ。

乗車時に配られるラストランカード

11月30日のラストランに向け、現在、3つの期間に分けてトロバスを堪能できるイベントを実施中。乗車する方の限定特典として「トロバス・ラストランカード」を配布したり、期間限定のデジタル駅スタンプ「駅タグ」を提供するほか、トロバス・グッズやトロバスにちなんだグルメ(どちらも期間限定)も発売している。

ラストランに向けて、担当の方からメッセージをいただいたので紹介しよう。

「トロリーバスが運行終了しても、立山黒部アルペンルートには変わらない景色があります。夏のみくりが池はひときわ美しく、まるで海外にいるような感覚を味わうことができます。また、秋には大観峰~黒部平の美しい紅葉が見ることができ、この区間は“動く展望台”とも呼ばれる立山ロープウェイが運行しています。アルペンルートの営業期間は4月中旬から11月末まで、春から初冬まで美しい景色をご覧いただけます。トロリーバスに替わる乗り物は電気バスです。当社では環境に優しい電気で運行する乗り物がほとんどです。環境に優しい乗り物を運行し、立山黒部の自然を守り多くのお客様にこの景色をいつまでもお届けできるように努めてまいります」

■8月下旬から9月中旬が狙い目

ちなみに、記念撮影をしやすい場所とタイミングも伺ってみたところ、下山時に室堂駅のトロリーバスホーム改札に早めに並べば、ホームに入ってから発車までの時間にトロリーバスと一緒に撮影できるチャンスがあるとのこと。梅雨明けからお盆までと9月の連休前後は混雑しやすいが、8月下旬から9月中旬頃なら比較的混雑を避けられるそうだ。

乗車券はネットからの事前予約「WEBきっぷ」を利用すれば、当日はきっぷ売り場に並ばずに済む。「秋の早割10」「トロきっぷ」など、数量限定の割引きっぷもあるので、賢く利用してトロバス最期の勇姿を見に出かけよう。

ラストランは11月30日になる予定

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