猫がほりほり『掘りたくなる』4つの場所とその理由 場合によっては粗相のサインかも?

猫がほりほり『掘りたくなる』4つの場所とその理由

1.トイレ周辺

猫がほりほりしてしまう場所としてまず挙げられるのは「トイレ周辺」です。砂がないところでも一生懸命猫が掘っている姿を見たことはあるでしょう。

トイレ周辺を掘ってしまう理由で多いのは「自分のニオイ消しのため」です。

野生下では排泄物から漂う自分のニオイは、外敵に見つかるリスクを高めることになるため、砂をかけてニオイを消そうとしているんですね。

ほかにはトイレの砂が気に入らない・トイレの汚れが気になるといった理由で、トイレ周辺をほりほりすることもあります。

2.柔らかい布製品

カーペットや毛布、ラグといった柔らかい布製品をほりほりする猫もいます。そういった場所を掘る理由として考えられるのは、「寝床をつくっているから」です。

猫は、柔らかく温かい場所で眠るのが大好きです。そのため布製品ほりほりし、快適な寝床を作ろうとしているんですね。

とくにカーペットやラグなど、爪が引っかかりやすい素材を好む傾向があります。

またトイレにいきたいときや寝床の熱を放散させたいとき、甘えたいときも柔らかい布製品をほりほりするケースもあるようです。

布製品自体が柔らかく掘りやすいので、「やばい!トイレ行きたい!」「ママに甘えたい(布は柔らかくて母猫の感触に似ている)」という気持ちで、ついついほりほりしてしまうのでしょう。

3.フードの周辺

猫がフードやその周辺をほりほりしている様子を見たことがある飼い主さんは、多いかもしれません。フードやその周辺も猫がよくほりほりする場所です。

その理由は主に二つあって、ひとつは「残飯を隠したいから」、もうひとつは「満腹アピール」です。

野性下での猫は捕らえた獲物を他の動物から隠すために地面を掘って埋めたり、「食後の痕跡」から外敵に見つからないように食べ残しを隠したりして、食べた後の安全を確保するために本能的な行動をとります。

この習性が現代のイエネコにも引き継がれ、同じような行動をとってしまうようです。

またお腹がいっぱいのときやごはんが気に入らないときも、ほりほりすることもあります。

これは飼い主への「もういらないアピール」でもあり、先述した「残飯隠し」の本能的な行動のひとつでもあります。

4.飼い主

ときどき猫は飼い主のひざの上や横などで、ほりほりと掘る仕草をすることがありますが、実はこの行動にも、2つの理由が考えられます。

1つ目は飼い主の体温と匂いから「ここは安全な場所」と感じ、リラックスしたいから。

大好きな飼い主に対する愛着と信頼のあらわれでもあり、飼い主を母猫と見立てて甘えたいと思っているのでしょう。

2つ目は、飼い主に対する「マーキング行動」です。猫は、体から出るにおいをつけることでテリトリーを主張します。

掘る動作で飼い主に自分の匂いを付けて、「この人はわたしのものだ」と周囲にアピールしているのかもしれません。

猫がほりほりするのは粗相のサインなの?

猫は通常、トイレ内でほりほりして砂をかき集めます。これは排泄物を砂で覆う本能的な行動で、粗相のサインではありません。

その他にもほりほりは、先述したような理由からすることがあるので「ほりほり=粗相のサイン」ではないです。

しかし、健康上の理由などによりトイレ以外の場所で排せつをしてしまうこともあります。

そのときも事前にほりほり行動が見られることがありますが、これは本来トイレ内で行うはずの「砂をかき集める」行動を、思わぬ場所でやってしまっているわけです。

この場合のほりほり行動は、その後の粗相を予兆する「サイン」になり得ます。とくに以下のようなサインが重なる場合は注意が必要です。

  • いつもと違う場所でほりほり行動をする
  • 最近体調がすぐれない様子がある(※)
  • ほりほりの頻度が高い

※泌尿器疾患などを患っていると、頻尿になるため粗相をしてしまうことがあります。

ほりほり行動とはいえ必ず粗相につながるわけではありませんが、粗相の前行動である可能性も否定できません。

そのため飼い主は先に述べた「粗相の予兆サイン」や猫の体調の異変に気づき、適切に対処しましょう。

まとめ

猫がほりほりするのは、本能に基づいたりただ甘えたかったりなど、猫なりのさまざまな理由が潜んでいます

トイレ・床・家具・毛布・飼い主など、猫がほりほりする場所も多様ですが、いずれも猫にとってほりほりをしたくなる場所なのでしょう。

ただし猫がほりほりしすぎるなど、いつもと違ったほりほりをする場合は何かしらのサインやSOSかもしれません。そのようなときは行動の理由を探り、適切な対策を取りましょう。

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