『ガンダム』宇宙世紀最強の「オールドタイプ」は誰か? 名作ゲームの能力データを基に考察

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宇宙世紀の『機動戦士ガンダム』シリーズに登場する「最強パイロット」といえば、やはりアムロ・レイやカミーユ・ビダンといった、ニュータイプのパイロットの名前が挙がりがち。しかし、なかにはニュータイプにも匹敵する、圧巻のパフォーマンスを見せたオールドタイプも存在した。

それでは、宇宙世紀作品のオールドタイプのなかでの最強パイロットはいったい誰なのだろうか……?

このテーマを検証するにあたり、同じ作品に登場しないキャラ同士は単純に比較が難しい。そこで、ガンダムシリーズをモチーフにしたゲーム作品の能力データを物差しにして比べてみることに。

そこで選んだのが、戦略シミュレーションのなかでも「平成の傑作」との呼び声が高い『ギレンの野望』シリーズ。なかでも「一年戦争」から「シャアの反乱」までの幅広いシナリオを網羅し、登場キャラクターがもっとも多かった『機動戦士ガンダム ギレンの野望 アクシズの脅威V』のデータをもとに検証していこう。

■おなじみの最強候補は、やはり強い?

「オールドタイプ最強」という議論で、真っ先に名前が挙がりそうなのが「ヤザン・ゲーブル」だろう。とくに『機動戦士Zガンダム』での活躍ぶりは、並みいるニュータイプたちにも引けを取らなかった。

そして『ギレンの野望』でもヤザンの評価は高いようで、パイロットに必要とされる「射撃」「格闘」「耐久」「反応」の能力値の合計(Sランク時)は、全オールドタイプのパイロットのなかでもトップの数値62(射撃:16 格闘:18 耐久:12 反応:16)を誇っている。

そのヤザンと同率1位だったのが、OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場した「アナベル・ガトー」だ。Sランク時の戦闘系の数値の合計は62(射撃:16 格闘:17 耐久:14 反応:15)と、ヤザンに並んでいる。彼は「ソロモンの悪夢」のふたつ名を持つエースパイロットで、オールドタイプのなかでも屈指の実力者として知られている。

それに続いたのが「ジョニー・ライデン」。「真紅の稲妻」の異名をとるジオンのエースパイロットで、MSVから登場したキャラクターである。映像作品には縁のない人物だが、彼の能力の合計値は61(射撃:16 格闘:15 耐久:12 反応:18)と、謎が多い人物にしてはかなりの高評価だった。

その下にくるのが、『機動戦士ガンダム』でアムロと死闘を繰り広げたジオンの「ランバ・ラル」だ。彼の能力値の合計は60(射撃:14 格闘:18 耐久:15 反応:13)で、作中での格闘戦の強さが反映されているようだ。

以下、ガイア(能力値合計59)、マッシュ(能力値合計58)と、黒い三連星のうちの2名が続く結果となった。

■案外ふるわなかった「オールドタイプ最強候補」は?

一方、セガサターン用ゲームソフト『機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY』の主人公「ユウ・カジマ」も、オールドタイプの最強候補に名前が挙がりやすい人物だ。シミュレーター上とはいえ、アムロ・レイのガンダムに勝つほどの操縦技術を披露したのが、コアなファンに支持されている理由だろう。

しかし、そんなユウの『ギレンの野望』での合計能力値は51(射撃:15 格闘:12 耐久:11 反応:13)と、思ったほどふるわなかった。

また『機動戦士Zガンダム』の劇中で、カミーユ・ビダンやクワトロ・バジーナを翻弄したアッシマーのパイロット「ブラン・ブルターク」の合計能力値も52(射撃:12 格闘:14 耐久:13 反応:13)と、それほど高くはなかったのが意外だった。

ちなみに『0083』の主人公である「コウ・ウラキ」の能力合計値は56(射撃:14 格闘:14 耐久:13 反応:15)、『機動戦士ガンダム第08МS小隊』の主人公「シロー・アマダ」の合計値は48(射撃:12 格闘:10 耐久:17 反応:9)となっている。

コウは、ライバルのガトーと比べると能力値的には見劣りするが、パイロットとしてのキャリアの長さを考えたら、けっこう評価されているほうなのかもしれない。

このようにゲームの能力値データを見ると「ヤザン・ゲーブル」「アナベル・ガトー」「ジョニー・ライデン」が、オールドタイプパイロットのトップ3という結果に終わった。とはいえ、これはあくまで『機動戦士ガンダム ギレンの野望 アクシズの脅威V』における能力データであり、別のゲームだったら、また違った結果になることだろう。

自身が最強だと思っていたオールドタイプパイロットの名前は入っていただろうか。

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