阪口晴南車がSUGO戦のクラッシュでモノコック交換。「開幕戦鈴鹿でポールを獲ったもの」と立川監督

 7月7日から8日に静岡県の富士スピードウェイで行われる公式合同テストに臨むVERTEX PARTNERS CERUMO・INGING。走行前日に実施されたメディアセッションにて、前回の第3戦SUGOでクラッシュに見舞われた阪口晴南の38号車は、モノコックを交換して今テストに臨むことが分かった。

 今季は開幕戦の鈴鹿で自身初のポールポジションを獲得し、調子良くシーズンスタートを迎えた阪口。第3戦SUGOではQ2でのミスもあって12番手グリッドから追い上げを狙う展開となった。しかし、レース序盤に最終コーナーでスピンしガードレールにクラッシュ。阪口自身は無事だったが、マシンは大きなダメージを負った。

 公式テストを迎えるにあたって修復作業が行われてきたが、7月3日に立川祐路監督が自身の公式Xで「SF38号車復活! ほとんどのパーツが変わってるのでほぼ別の車ですが…」と投稿していた。

 マシンのダメージ状況について、メディアから質問が出ると「(ぶつかった)相手がガードレールだったので、思ったより…というか、かなりダメージがありました」と立川監督。

2024スーパーフォーミュラ第3戦SUGO 決勝でクラッシュを喫した阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)

「今回のクルマに関してはほとんどのパーツが別のものになっていて、モノコックも違います」とSUGOの時とは別のモノコックであることを明らかにした。

 今回はモノコックが変わってから初の走行になることもあり、阪口も「大きなクラッシュがあって、色々と部品も変わっていますから、最初は正常に走れるかというところを確認する作業から入ることになると思います」と口にする。

「その後は、レースでタイムを求めないといけないなかで、本当はやりたかったけれども、できなかったことがあるので、そこはチームと話し合ってエンジニアサイドからのアイディアや、僕たち側からのアイディアを盛り込んでテストをしていきたいなと思います」と、明日からのテストに向けたプランを語った。

 やはり、モノコックが変わるとマシンのフィーリングやバランスにも微妙な変化が出てくる可能性もある。それについては「モノコックも含めて変わっているので、フィーリングを含めて変わることは想像もできます。ただ、幸いなことに今回テストがあるので、しっかりと確認をしたいです」と立川監督。

「実は、変えた(今回使用する)モノコックも、開幕戦の鈴鹿でポールを獲っているもので、つい最近まで使っていたので、まったく使っていなかったものに変えたわけではないので、そういう意味ではある程度安心というか、そういう部分はありますね」

ポールポジションを獲得した阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING) 2024スーパーフォーミュラ第1戦鈴鹿

 実は38号車は開幕戦の鈴鹿を終えた後に新しいモノコックに交換しており、それが第3戦SUGOで破損して、開幕戦まで使っていた従来のモノコックに戻したのだという。

「鈴鹿まで使っていたモノコックは、今までずっと使っていたやつで、チームの長期的プランとして『そろそろ新しいものに変えておこう』というタイミングでした。本当は開幕前に新しいものにできればと思っていましたけど、納期とかの兼ね合いで、たまたまそういうタイミング(開幕戦後に)なってしまいました」

 いずれにしても、今回のテストに間に合わせるためにチームとしては忙しい2週間を過ごしたことは想像に難くない。「(修復作業が)大変といえば大変でしたけど、レーシングカーはパーツが揃えば直るので……。まぁ、一番大変だったのはお財布かな」と立川監督は苦笑いをみせていた。

2024スーパーフォーミュラ第3戦SUGO 阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)

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