体験壁が完成 スポーツクライミング競技 旧山部小体育館 練習拠点に 板倉区

旧山部小に設置されたリード競技用の壁。選手が練習に励んでいた

板倉区山部の旧山部小体育館にスポーツクライミング競技の体験壁が完成した。6日に見学会が開かれ、地域住民や関係者にお披露目された。

山部小は2021年、針、宮嶋小との統合により廃校に。施設の活用を模索していた地元の板倉区中山間地域農業振興会(清水正会長)は県山岳協会と連携し、スポーツクライミングを通した地域振興を目的に同校の体育館を借り受けた。

設置されたのは、登る高度を競うリード競技用の10・5メートルの壁、課題を何本登れるかを競うボルダリング用の壁、トップロープクライミング用の7メートルの壁など4枚。リードとボルダリングは複合種目として、パリ五輪の競技種目となっている。

同振興会事務局の飯塚直人さん(48)は「行政とやりとりを重ね、設置が実現してうれしい。クライミングを核とした交流人口の拡大や、板倉ならではのイベントが開けるといい」と願った。

同日は、県の国体出場選手とジュニア選手の合同強化合宿が行われており、小学生から社会人までの選手約20人が参加。先月完成したばかりの新たな壁を使って練習に励んでいた。見学に訪れた子どもたちも興味津々な様子で壁を登り、クライミングを体験していた。

10月の国体に成年女子で出場する栗田湖有(みう)さん(21)は「リード競技が練習できる施設は県内では3、4カ所ほどしかないので、実戦に近い練習ができる貴重な施設」と話していた。

現在の壁は仮設置の状態で、来年度には北信越国体などの大会が開ける規模の壁が常設される。

県山岳協会競技委員長で強化総括責任者の田中勉さん(62)は「地域の方々の協力もあってようやく強化の拠点施設ができ感慨深い。いかに有効に活用するかが私たちの役目。競技人口を増やし、全国、世界で活躍できる選手を育てていきたい」と意気込みを語った。

施設は県山岳協会が管理。開放はしないが、今秋に一般向けの体験会が予定されている。

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