住宅に対する評価、23.1%が「不満」
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7月には夏休み期間を控え、家族で住宅展示場などに足を運ぶ計画を立てている方もいるかもしれません。
注文住宅のメリットは、自分好みの間取りや設備、仕様などを自由に取り入れることができることですが、自由度が高いからこそ失敗して後悔が残るようになってしまうことも少なくありません。
2018年(平成30年)に国土交通省住宅局が実施した住生活総合調査結果によると、住宅に関する評価では不満率が1983年(昭和58年)以降総じて減少しています。
しかし「満足している」と「まあ満足している」が合計で76.3%を占めている反面、不満率は23.1%にも達しており、少ない数字とは言い切れません。
注文住宅のような数千万円規模になる買い物ですら、およそ4人に1人は満足していないということがわかります。
注文住宅を建てて後悔した点についての調査はほかにもさまざまな企業が行なっていますが、どれも似たような結果になっているようです。
これらの中には実際に住んでみないとわからないことも多いので、他の人の体験談が非常に参考になります。
そこで今回の記事では、静岡県で4200万円の注文住宅を建てた夫婦が後悔したポイント5つと満足したポイントを紹介します。
この事例は、次のような方の実際の体験談です。
- 【居住地】 静岡県
- 【購入金額】 4200万円
- 【現在の年齢】 30歳代
- 【購入時の年齢】 30歳代
ぜひ参考にしてください。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
注文住宅の後悔ポイント1:玄関から風呂場が遠い
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「玄関から風呂場が遠いため、子供が足を洗うために部屋が砂や泥で汚れてしまう」
玄関から風呂場が遠いと玄関先に来客があっても風呂場に入りやすい、入浴中の音が玄関に漏れることがないので安心、といったメリットがある反面で、玄関から風呂場へアクセスしにくくなるのでこのような弊害が生じてしまいます。
玄関から風呂場が遠いことへの対策としては、屋外に温水で足を洗うことができる足洗い場を設ける、浴室に隣接する脱衣場に出入口を設けるなどの方法があります。
注文住宅の後悔ポイント2:廊下が少ないせいで色々漏れてくる
「廊下が少ない間取りになっているが、思っていた以上に生活音やキッチンからのにおいがほかの部屋に漏れてしまうのが想定外だった」
廊下が少ない家はスペースを有効活用することができるため、その分広い部屋を確保することができる、廊下を経由することなく直接移動できるので移動時間を短縮できるといったメリットがあります。
一方、部屋と部屋との間でにおいや生活音が伝わりやすくなるほかに、プライバシーの確保が難しくなってしまうことがあります。
したがって事前にこのようなデメリットがあることを十分考慮した上で、住まいのプランニングを行うことが大切です。
注文住宅の後悔ポイント3:クローゼットが足りない
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「ファミリークローゼットはあるのだが、日常的に使うものやすぐに着替えたい時などは不便なので、各部屋にもクローゼットを作っておけばよかった」
家族全員の衣類や荷物などをまとめて収納できるファミリークローゼットは、家事動線を短縮できて部屋が散らかりにくくなるのが最大のメリットです。
一方で出勤や登校が重なりがちな朝の時間帯には混雑してしまうことがあります。
また、実際に生活してみるとスペースが足りずに収納量不足で後悔することも少なくありません。
したがってファミリークローゼットの広さには十分注意が必要になると共に、必要に応じて各部屋にもちょっとした収納スペースを作っておくことを検討すると良いでしょう。
注文住宅の後悔ポイント4:大きな窓にしてしまった
「南側全面に大きな窓を設けたために壁面収納を設置するスペースがなく、一部を腰高窓にすれば良かった」「カーテンも特注になってしまったので、費用がかさんだ」
大きな窓を設置すると、日あたりや風通しが良くなり開放感が出て部屋が広く感じる、外の景色を楽しむことができるといったメリットがあります。
一方で家の中の壁の面積が減るため、家具が窓に被って置けなくなるほかに、部屋の断熱性や防音性が低下する、日差しが強すぎて眩しいなどのデメリットが生じてしまいます。
また、カーテンも単にサイズが特注になるだけでなく、断熱、遮光などの機能が必要になるでしょう。
したがって窓の大きさや形状を決める際には、収納計画や断熱計画などと併せて検討することが大切です。
注文住宅の後悔ポイント5:吹き抜けリビングに後悔している
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「リビングは吹き抜けになっているので開放感があって良いのだが、冷暖房が効きにくいため光熱費の負担が心配になる」
吹き抜けがあると冷暖房効率が悪くなるため、光熱費が高額になるのが最大のデメリットといえます。
それを解消するためには、家の断熱性能・気密性能を高めて熱の移動を抑え、隙間の少ない家にすることが大切です。
また同時に部屋の上下での温度差をなくすために、シーリングファンを設置して空気を循環させるようにすることが非常に重要なポイントになります。
次章からは、「注文住宅の満足ポイント」を紹介していきます。
注文住宅の満足ポイント1:キッチン・ダイニング・リビングを一直線に配置した
「キッチン・ダイニング・リビングを一直線に配置したことで、開放的な広がりがありつつ窓からは多くの日差しが入り込んで明るいため、どの時間でも居心地が良い」
キッチン・ダイニング・リビングをなるべく連続させて一体的な間取りにすることで、空間の広がりと開放感を演出することができます。
また家具の配置だけでスペースを使い分けることも可能になります。
注文住宅の満足ポイント2:土間玄関にした
「土間玄関を採用したことで両親や友人が来た時でも狭さを感じることがなく、自転車をそのまま玄関内に入れられる。野菜なども土間に置いておくことができるし、色々と活用ができて便利だった」
土足で歩ける土間と玄関を合わせた空間を土間玄関といいます。
屋内にありながらも土足で入れるスペースなので、自転車やベビーカーなどの仮置き場としてや、アウトドア用品、園芸用品などの土や泥で汚れやすいものなどの収納場所として活用できるので便利です。
注文住宅の満足ポイント3:デッキによってリビングが広く見える
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「屋外にリビングから段差なく出入りできるデッキを作ったので、窓を開けると開放感と共にリビングとの一体感が生まれ、大きなリビングのように見える点が気に入っている」
リビングの床と同じ高さで床を作ることで室内の延長といったイメージになり、実際に天気が良い日にはリビングの一部として使用することができます。
注文住宅の満足ポイント4:パントリースペースが便利
「大きなパントリースペースを作ったので、日常生活に必要なものや掃除用具などを一か所に収めることができて便利だった」
一般的にパントリーとは食品庫や備蓄庫の役割を持つ収納スペースのことをいいますが、食材のほかに食器や調理器具、家電、日用品、掃除用具などを収納しておくこともできます。
ただし収納するモノによってパントリーの大きさや設置場所が変わるので、事前に収納するモノをしっかりと決めておくことが大切です。
注文住宅の満足ポイント5:家事動線を短くした
「キッチン、脱衣場、浴室を近くにまとめて配置したので、短い動線で効率よく家事をこなすことができる」
調理、洗濯、掃除などの家事動線が良い間取りにすることは、満足度の高い住まいづくりのための秘訣といえます。
そして水回りをコンパクトにまとめて配置することは、家事動線を短くするための近道になります。
まとめにかえて
インターネットなどで人気の間取りを検索しても、それが必ずしも自分にとって使いやすいとは限りません。
間取りの良し悪しは人によって変わるものなので、数多くのモデルハウスや施工実例、体験談などを参考にしながら、自分の暮らしに合わせてマイホームの間取りを具体的にイメージすることが大切です。
参考資料
- 国土交通省「平成30年 住生活総合調査結果」