V長崎が首位キープ 熊本に快勝 無敗記録「21」に更新  サッカーJ2

【V長崎-熊本】前半11分、V長崎の加藤(中央)がパスを出す=諫早市、トランスコスモススタジアム長崎

 明治安田J2第23節第1日(6日・トランスコスモススタジアム長崎ほか=9試合)V・ファーレン長崎は熊本を2-0で下し、リーグ戦連続無敗記録を「21」に更新した。通算成績は14勝8分け1敗の勝ち点50で首位をキープした。
 V長崎は前半16分、ペナルティーエリア内でエジガルジュニオのパスを受けた加藤が右足で流し込んで先制。22分にマルコスが米田のパスを蹴り込んで2-0とした。後半はセットプレーから何度か好機をつくった。終盤は押し込まれたが、初先発したGK若原の好セーブなどもあり、3試合ぶりに失点0に抑えた。
 横浜FCは秋田に1-0で競り勝ち、勝ち点49で2位を守った。清水は千葉に2-0で快勝して同49の3位。仙台を2-0で下した岡山が4位に浮上した。大分はいわきを1-0で退け、10試合ぶりの白星となった。
 第23節最終日は7日、残り1試合を実施。第24節は13、14日、各地で計10試合が行われ、V長崎は14日午後6時から甲府市のJITリサイクルインクスタジアムで甲府と対戦する。

◎流れ呼ぶベテランの一発
 ベテラン加藤の一発が、やや劣勢だったチームに流れを呼び寄せた。熊本にボールを保持される時間が続いていた前半16分。ペナルティーエリア内でパスを受けると、細かいステップで目の前のDFをかわし、力まず冷静にゴールに流し込む。1万4424人が埋めた観客席が一気に沸いた。
 自らが起点となった。右サイドでパスを受けて大きくサイドチェンジ。迷うことなくゴール前に走り込んだ。左サイドからゴール前へ運ばれたボールは再び加藤の足元へ。「練習からGKの分かりやすいリズムで打たないようにやっていた。それを実践しただけ」。すぐに打たず、タイミングをずらして右足を振り抜く。GKは動けない。ボールはカバーに入ったDFの足をかすめてゴールに吸い込まれていった。
 選手層が厚いチームの中で、今季はリーグ戦全試合に出場。「気を抜いたらすぐに先発を外される」と緊張感を持って練習に取り組んでいる。セットプレーのキッカーも任され、ここまで7アシスト。得点もV長崎加入後最多となる3ゴール目だ。「監督の求めるサッカーが整理されていて前へ飛び出しやすい。周りと連係が取れている証拠」と胸を張る。
 昨季は先発が9試合にとどまるなど苦悩の1年を過ごした。どちらかといえば脇役で「チームの潤滑油」と控えめに自己評価していた33歳は、雌伏の時を経て、輝きを増している。

【V長崎-熊本】前半42分、V長崎のGK若原がパンチングでクリアする=トラスタ

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