ジェイソン・デイ デビュー時の2006年と現在のギアの違いを語る

初出場の2006年大会からのギア変遷を語るジェイソン・デイ

ずっと昔の2006年、若き日のジェイソン・デイ(オーストラリア)は「ジョンディアクラシック」でPGAツアーデビューを飾った。それから18年。ちょうど同ツアー350試合目の出場にあたる今週の同大会で、TPCディアランに戻ってきた。

開幕前日の会見はノスタルジックな空気に満ち、ギアについても掘り下げた話をした。18年前からゴルフ用具がどんな変化を遂げてきたかを語った。

「確かにドライバーのヘッドはかなり大きくなった。僕はドライバーが最も寛容なクラブだと考えているし、それが、かつてないほど多くの選手がドライバーで打っている理由だね。18年前はすでにメタルになっていて、それなりに寛容性もあったけど、ミスヒットしたら、左へ飛び出してダックフックになることもあった。当時からちゃんと当たらなくても、それなりに良かったんだけど、今ほどじゃなかった。ゲームが変化した理由はそこにあるね」

「アイアンはほとんど同じだね。そこまで進化していないと思うけれど、最近はよりスペックの簡単なものを使うようになった、耳の痛い話だけど。僕は得られる初速は何であれ欲しいし、高い弾道が必要。以前は、自分に速さがあったけれど、もうそうではなくなったからね」

デイのP770アイアン(提供GolfWRX)

最近、デイは三菱ケミカル「ディアマナ ホワイトボード」63TXの装着されたピン「G430 LSTドライバー」と、「よりスペックの簡単な」テーラーメイド「P770アイアン」のセット(4番~PW)を使っている。またウェッジも性能の向上に伴い、昔よりかなり頻繁に交換するようになった。

デイのクリーブランド RTX6ウェッジ(提供GolfWRX)

「最近のウェッジは何から何まで、かなりきっちり微調整が施されているね。何度造っても全く同じパラメーターのウェッジができあがる。昔は、仮にお気に入りの60度のウェッジがあったとしたら、ラフ、バンカー、フェアウェイから使いつつ、交換するのは1年に1度ほどだった。今はみんな、毎試合、あるいは2試合おきに交換している。タイガー(ウッズ)だってそうだ。これは、クラブの製造方法がかなり進化し、同じクラブを何度も繰り返し造ることができるようになったからなんだ」

現在36歳のデイは、やや軽めのシャフトを使用することが助けとなっているとも語った。しぶしぶ受け入れたようだが…。

デイのドライバーシャフト(提供GolfWRX)

「少し軟らかめのシャフトに乗り換えなければならなくなった。その方が簡単にしなるので、ボールを曲げ易い。僕は間違ったシャフトを使っていたんだと思う。…“間違ったシャフト”って言い方はおかしいか。十分なスピン量が得られると感じて、実際その通りのシャフトだったけど、ボールを曲げて操作できていなかった。136gとかなり重かったから。あれはバールでスイングをするようなものだね。それが大好きだった。でも、それは僕が世界ナンバーワンで、スピードも時速10マイルほど速かった頃の話。ソフトなものに移行する時が来たんだと思う」

デイは“何を使うか”ではなく“スコアカードに記すスコア”こそが重要であることを知り抜いたベテランだ。「結局、ゴルフは最少のストロークでボールをホールに入れなければならない。もし、まだそれができるのであれば、それが一番大事なこと」―。

(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)

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