大量閉店で【白木屋】が激減! でも850円ランチは「かなりアリ」だったワケ

「白木屋 池袋サンシャイン60通り店」の看板

居酒屋界の“新御三家”とも称された株式会社モンテローザが展開する居酒屋チェーン「白木屋」。一時期に比べると数が激減している同チェーンの現在について知るべく、ランチ営業をしている店舗をグルメライターが訪れ、実食してきました。

目次

【白木屋】とは? 現在わずか63店舗
【白木屋】ランチは850円台、ご飯味噌汁食べ放題
【白木屋】850円ランチ「チキン南蛮定食」実食!
【白木屋】ランチ、かなりアリ!

【白木屋】とは? 現在わずか63店舗

「白木屋 池袋サンシャイン60通り店」の店舗入口(写真:サイゾーウーマン)

株式会社モンテローザが展開している「白木屋」は、同社が同じく展開している「魚民」や「笑笑」とともに、“駅前にある居酒屋”としての地位を確立。

同社の公式サイトによれば、2000年11月に全国47都道府県への出店を達成すると、02年5月には展開するブランドの総店舗数1,000店を達成。その後、09年4月には1,500店、13年5月に2,000店を達成するなど、飛ぶ鳥を落とす勢いでの店舗数の拡大に成功していました。

しかし、17年に約100店舗の閉店が報道されるなど、その勢いにブレーキがかかると、店舗数は減少傾向に。今月の4日には19年9月から24年1月までで、「魚民」が255店舗閉店したことが「日刊SPA!」の記事で伝えられており、苦境が続いているようです。

公式サイトによれば、現在のグループ総店舗数は893店と、全盛期の半分以下。それに伴い、「白木屋」の数も激減しており、17年の大量閉店を伝えた「東洋経済オンライン」の記事では200店超と記載されていた店舗数も、現在公式サイトによれば63店舗と、こちらも3分の1以下となっているようです。

そんな「白木屋」の現在はどうなっているのか……。そんな疑問を抱いた筆者は、ランチ営業を行っている「白木屋 池袋サンシャイン60通り店」を訪れ、実食してみることにしました。

【白木屋】行ってみた! ランチは850円台、ご飯味噌汁食べ放題

テナントビルの地下にある「白木屋 池袋サンシャイン60通り店」は、モンデローザが運営する別ブランド「笑笑」と隣り合った形。

午前11時から午後3時までのランチタイムギリギリに入ったこともあってか、客入りはまばらな印象でした。筆者も会社員として働いていた10年代初頭には、居酒屋ランチにお世話になったことは少なからずあり、 「白木屋」のランチはどうなんだろう……と思いながらテーブルのメニューをチェック。

テーブルにあったメニュー表(写真:サイゾーウーマン)
定食を頼んだ場合は、ご飯と味噌汁が食べ放題に(写真:サイゾーウーマン)

1,000円を超えるのは「お刺身定食」の1,200円(税込み/以下同)、「海鮮6種丼」「海鮮4種丼」はそれぞれ1,000円の3種類。「日替わり定食」をはじめとしたそれ以外のメニューは850~900円となっており、定食メニューを頼んだ場合は、ご飯と味噌汁が食べ放題になるサービスもありました。

値上げラッシュの現在ではさすがにワンコインとはいかないようですが、比較的リーズナブルな定食が多いようです。また、ドリンクは一律150円、サイドメニューは100円から150円で販売されていました。

サイドメニューなドリンクメニュー(写真:サイゾーウーマン)

当初、「日替わり定食」をはじめとした850円のランチメニューが多くなっている「白木屋」のメニューを見て、「750円とかならともかく、850円ってちょっと中途半端な価格な気がするなあ……」と考えていた筆者ですが、このドリンク価格を見て納得。

ドリンクと合わせることでぴったり1,000円になることから、訪れた客がついついドリンクも頼みたくなる“ジャスト1000円マジック”を戦略として採用しているのかもしれません。

【白木屋】850円ランチ「チキン南蛮定食」実食!

今回は、「チキン南蛮定食」(850円)に「国産キムチ」(150円)、ドリンクで「リアルゴールド」(150円)をつけて注文しました。

ドリンクと合わせた“ジャスト1000円マジック”の術中にハマるどころか、さらにキムチまで追加してしまいましたが、以下写真でその魅力をお伝えしたいと思います。

「チキン南蛮定食」の全体像(写真:サイゾーウーマン)
チキン南蛮(写真:サイゾーウーマン)

甘酢のついた唐揚げ5つに、タルタルソースがかかっていました。早速食べてみると、チキン南蛮は甘酢だれが酸味と塩気が結構しっかりしたタイプ。

そのまま食べる分には少し過剰にも思えますが、こってりとしたタルタルソースの風味も相まって、ご飯がかなり進む味わいです。

タルタルたっぷり(写真:サイゾーウーマン)

本場のチキン南蛮は、ふわっとしている優しい食感の衣であるものが多い印象がありますが、筆者はどちらかというと、ちゃんとカリカリ感のある普通のから揚げに甘酢あん+タルタルソースがかかっているものが好み。そのため、「白木屋」のチキン南蛮は、個人的にはかなり好印象でした。

ご飯は少しパサついていたものの、十分においしく食べられるレベル(写真:サイゾーウーマン)

ご飯は少しパサついてはいたものの、甘酢あんやタルタルソースが絡まっているチキン南蛮と一緒に食べる分には全然アリな炊き具合で、こちらも食べ放題であることを考えれば及第点。

味噌汁や漬物については、正直普通だな……という以上の感想はなかったものの、箸休めや口直しとしては十分なクオリティでした。

味噌汁にはねぎとわかめが具として入っていました(写真:サイゾーウーマン)
たくあんは気持ち程度(写真:サイゾーウーマン)

追加で頼んだ「国産キムチ」は、うま味や甘みは少ないタイプながらも、こちらも酸味と塩気はしっかりしており、やはりご飯が進みます。

おかわり自由のご飯をいっぱい食べたい! という場合には追加で注文するのもいいでしょう。なお、ご飯や味噌汁のおかわりは、店舗中央あたりにあるセルフコーナーから、自分でよそう形となっています。

国産キムチも酸味と塩気強めの味わいで、ご飯のお供としてかなりアリでした(写真:サイゾーウーマン)
ドリンクメニューとしては珍しいのでついつい頼んでしまった「リアルゴールド」(写真:サイゾーウーマン)
ご飯や味噌汁のおかわりがあるセルフコーナー(写真:サイゾーウーマン)

【白木屋】ランチ、かなりアリ!

3回ほどご飯をおかわりしたあと、おなかいっぱいで店をあとにした筆者。

ご飯や味噌汁の食べ放題が付いた定食でこの値段であれば、普段使いのランチとしてはかなりアリなのでは、と思いました。そのため、夜の時間に居酒屋として利用することについても興味が沸いてきた次第です。

公式サイトによれば、現在「白木屋」の中でランチ営業を行っている店舗は「池袋サンシャイン60通り店」のほか、「仙台東口駅前店」、「南船場心斎橋筋店」など、数店舗に留まっている様子。

筆者と同じように、ランチ営業で好印象を持ったのをきっかけとして居酒屋営業への興味を持つ消費者も少なくないのではないでしょうか。「白木屋」にはぜひ、ランチの実施店舗を増やして多くの消費者を呼び込み、かつての隆盛を取り戻してほしいものです。

余談ですが、トイレの中に貼ってあったこのパネルを見て、「ああ、昔の居酒屋って良くも悪くもこういうノリだったよね」と懐かしい気持ちになりました。

© 株式会社サイゾー