窓辺を好む猫は多いとされていますが、毎日同じ窓辺に座り、猫は何を見てどんなことを感じているのでしょうか。今回は、窓から外を見る猫にまつわる5つの疑問を取り上げ、愛玩動物看護士の小野寺温先生にお答えいただきました。

猫が外を眺めているとき、何を見ているの？

引用元：ねこのきもち投稿写真ギャラリー

猫は、鳥、虫、飛行機、通行人、車など、窓からさまざまなものを見ていると考えられています。猫は動体視力が優れているため、動いているものを見ている可能性が高いでしょう。

網戸になっているなど、外の空気を感じられる環境にいるのなら、視覚よりも聴覚や嗅覚を働かせて、虫の羽の這う音や、虫・鳥のニオイなどでより外の世界を感じているかもしれません。

猫は外に出たいと思っているの？

引用元：ねこのきもち投稿写真ギャラリー

外で暮らした経験がある猫の場合は、外に出たいと思っている可能性はあります。

逆に、外に出た経験がない猫の場合は、安全な場所から外を観察して楽しむ程度で、外に出たいと考えることはあまりないと思っていいでしょう。ただし、好奇心から外に出てしまうことはあるので、脱走対策は怠らないでください。

引用元：ねこのきもち投稿写真ギャラリー

猫の視力は0.1～0.2程度といわれているので、景色はぼんやりと見える程度でしょう。

しかし前述したとおり、動体視力はとても優れているので、動いているものだけは際立って見えます。そのため、外を見るときは景色を眺めているのではなく、動いているものを目で追っていることが多いでしょう。

引用元：ねこのきもち投稿写真ギャラリー

鳥や虫などを見ると狩猟本能が刺激されるので、ストレスになるほどではないものの、捕りたい気持ちが満たされずにもどかしく感じている可能性はあります。

愛猫が狩りをしたいような様子をしていたら、タイミングを見てじゃらしおもちゃなどで思いきり遊ばせてあげましょう。最後におもちゃを捕獲させてあげれば、満足感も味わえるはずです。

引用元：ねこのきもち投稿写真ギャラリー

外の景色があまり見えなくても、ベランダに置かれた植物や干された洗濯物が風で揺れるのを見るだけで、刺激は得られます。また、窓辺にいれば外の音が聞こえやすい、日光を浴びられる、暖かいといった魅力も。

景色が見えなくてもある程度の刺激は得られるので、猫は気分転換ができるでしょう。

猫にとって、窓際はとても魅力的な居場所です。脱走をしないように安全対策を徹底しつつ、愛猫がゆっくりと過ごせるようスペースを整えてあげるといいでしょう。

お話を伺った先生／小野寺温先生（帝京科学大学講師愛玩動物看護師）
参考／「ねこのきもち」2023年3月号『それは、家の中と外をつなぐ特別な場所今日も今日とて猫と窓』
文／東里奈
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。