2024天津国際航運産業博覧会が開幕へ

2024天津国際航運産業博覧会が開幕へ

2023天津国際航運産業博覧会で海洋工学設備・船舶展示エリアを見学する来場者。(2023年11月16日撮影、天津=新華社記者/趙子碩)

 【新華社天津7月7日】中国天津市で10日から4日間の日程で、海運産業の国際的な見本市「2024天津国際航運産業博覧会」が開催される。今回は世界の港湾、海運、関連する川上・川下産業の世界上位500企業と上場企業が出展し、グリーン(環境配慮)とスマート化に焦点を当てる。来場者は6万人以上を見込む。

 海運は経済と社会の発展を支える大切な基盤で、国際貿易の重要な懸け橋でもある。博覧会が2年連続天津で開催されるのは、同地が中国北部最大の沿海都市で、「一帯一路」の陸海ルート合流地点にあり、中国・モンゴル・ロシア経済回廊の東部の起点に位置し、新ユーラシア・ランドブリッジ経済回廊の重要な結節点であり、海運ハブとしての地理的条件が優れているためである。また、市内には数多くの海運企業が集積し、デンマークのAPモラー・マースク、フランスのCMA-CGM、中国台湾地区の長栄海運(エバーグリーン・マリン)など海運会社世界上位20のうち17社が市内に拠点を構えている。2023年、同市で新たに登録された海運サービス関連企業は、前年比13.5%増の千社余りに上った。

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3日、天津港北疆港区Cエリアのスマートコンテナターミナル。(ドローンから、天津=新華社記者/趙子碩)

 同市交通運輸委員会の王志楠(おう・しなん)主任によると、今回の博覧会は展示面積が約5万平方メートル、国際港湾、国際船主、港湾・海運設備、港湾・産業・都市融合発展成果など九つのテーマに分かれ、実物や模型、写真、映像、デジタルインタラクティブに、デモンストレーションなどさまざまな形式で、各分野の革新的技術や先進的設備、ビジョンを包括的に展示する。

 海運業の発展トレンドは、博覧会で専門家によって大いに議論が交わされる。天津港北疆港区Cエリアのスマートコンテナターミナルは、100%グリーン電力供給や北斗ナビゲーションシステムによるコンテナ専用自動運転トラックを実現した。同ターミナルは「スマート・ゼロカーボン」ふ頭とも呼ばれ、天津港のベンチマークプロジェクトとして世界の伝統的な港湾がスマート化転換する手本を示している。

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2023天津国際航運産業博覧会の天津港展示エリアを見学する来場者。(2023年11月16日撮影、天津=新華社記者/趙子碩)

 グリーン、スマート化転換は海運業界の大きな流れとなっている。APモラー・マースクは、中国に同社初となる全チャネルのグリーン・スマート物流センターを設立、世界の顧客に付加価値の高いさまざまな製品・サービスを提供する。オランダではロッテルダム港がスマート化レベルを引き上げ、ポートコミュニティーシステムを通じて、船舶と貨物の輸出入、関連する各プロセスをつなぎ合わせている。 

 研究報告は、海上運航に人工知能(AI)システムを導入することで、世界の商業海運業は二酸化炭素(CO2)排出量を年間4700万トン削減できるとした。国際海事機関(IMO)は最新の「温室効果ガス(GHG)削減戦略」において、各国の国情を考慮した上で、50年頃までにGHG排出実質ゼロを実現する目標を掲げた。AI技術の活用は目標達成に貢献することになる。(記者/毛振華、梁姊) 

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天津港の太平洋国際コンテナターミナルで貨物を積み込むコンテナ船「中遠海運山茶」。(5月15日、ドローンから、天津=新華社記者/趙子碩)

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