中国の研究者、火星でも生存可能な植物を発見 

中国の研究者、火星でも生存可能な植物を発見 

新疆ウイグル自治区で発見されたシントリキア・カニネルビス。(ウルムチ=新華社配信)

 【新華社ウルムチ7月7日】中国新疆ウイグル自治区の資源・生態環境を調べる第3次新疆総合科学調査で、研究者が砂漠の極限環境の中で火星でも生存が可能と思われるコケ植物、シントリキア・カニネルビス(Syntrichia caninervis)を発見した。

 中国科学院新疆生態・地理研究所が発表した。シントリキア・カニネルビスは自治区北部ジュンガル盆地にあるグルバンテュンギュト(古爾班通古特)砂漠の生物学的土壌クラストにおける優占種。同研究所の張道遠(ちょう・どうえん)、張元明(ちょう・げんめい)両研究員のチームが、98%以上の脱水、零下196度の超低温、5千グレイ(Gy)以上のガンマ線照射に耐え、さらに迅速に蘇生して再び成長する並外れた回復力を持つことを実験で初めて系統的に証明した。これらの数値は現時点で知られる植物耐性の限界であり、生物学的な環境耐性に対する認識を塗り替えた。

 チームは、過酷な条件が複数重なる火星をシミュレートした環境でもシントリキア・カニネルビスが生き延び、環境回復後に新たな株を生み出せることを確認した。

 今回の研究成果は7月、学術誌「イノベーション(The Innovation)」に掲載された。同誌は中国の若手科学者と科学誌セルを発行する米セル出版が2020年に共同で創刊した総合英文学術誌で、自然科学のあらゆる分野に焦点を当てている。(記者/張暁竜)

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