フライ級QOPをかけ杉山しずかが重田ホノカに挑む!両者とも今回のキーポイントは「気持ち」と回答!

7月5日夕、都内新宿区のパンクラスにて、フライ級クイーン・オブ・パンクラス チャンピオンシップの調印式が行われた。
調印式には第3代フライ級QOPの重田ホノカ、挑戦者の杉山しずかが出席。廣瀬隆司・パンクラス評議委員長の立ち合いのもと、出場誓約書にサインした。

重田は2023年よりパンクラスに参戦。高本千代、ソン・ヘユン、ライカと3連勝を経て、今年3月、端貴代の持つベルトに挑戦。決め手こそなかったものの、初回から大ベテランを抑え、フルマークの判定勝利でベルトを奪取している。重田は初防衛戦となるが、この試合を最後に階級変更する。バックボーンは柔道。

対する杉山は2008年、JEWELS旗揚げ戦でデビュー。今年で現役生活16年を迎えるベテラン選手だ。JEWELSを中心に活動しながら、シュートボクシング、DEEPなどでも活躍してきた。パンクラスには今年3月に初参戦。2014年にDEEPで対戦しているライカに再び勝利してのパンクラスデビューを果たした。参戦2戦目でのタイトル挑戦も、杉山ほどの選手であれば決して早くはないだろう。勢いある若手に対し、どのような闘いを見せるか。バックボーンは空手。

両者の質疑応答は以下。

――まず、両選手から試合の意気込みをうかがいたいと思います。杉山選手からお願いします。
杉山「杉山しずかです。今回、2戦目にしてスーパー挑戦者として抜擢していただきました。このベルトを獲るために来たので、ぜひいい試合をして最終的に何も言わせないようなチャンピオンらしい試合をしたいと思います。よろしくお願いします」

――ありがとうございます。では続きまして、重田選手、お願いいたします。
重田「こんにちは、重田ホノカです。まずは前回、試合が終わってから色々お騒がせしてしまい申し訳ありませんでした(※3月の試合後、ドラッグテストの結果、禁止物質であるエフェドリンが検出された。エフェドリンは風邪薬などの一般薬にも含まれる興奮剤。重田は漢方薬を使用し、意図的な摂取ではなかったことを説明している)。今回、フライ級の最後ということで、いい勝ち方をできるように頑張ります。よろしくお願いします」

――では、質問に移ります。杉山選手、先ほど“スーパー挑戦者”っていう言葉が出てきましたが、それはどういう意味合いがあるのでしょうか。
杉山「そうですね。キャリア的には、私が挑戦を受ける立場だったりすると思うんですけど、それが挑戦者になるということが“スーパー”だと思ってますし、参戦2戦目で(タイトルマッチを)やらせてもらえるっていうのは特別なことなので、“スーパー”だと思っています」

――逆に、4戦目ぐらいでチャンピオンになったっていう彼女の経験値とかはどういう風に判断しますか。
杉山「最初は、(試合は)相手があることなので、勝ったり負けたり、その中で価値を取ったんだろうなと思うんですけど、こう闘いを重ねるごとに確実な強さがあるなっていうことを知りました」

――ありがとうございます。では重田選手、挑戦者から『確実な強さがある』っていう言葉が出たんですけど、そこに対してどのように思われますか。
重田「うーん……自分自身あんまり実感ないですね。自分はあんまり強いって思ってないです。いつもジムの先輩方にボコボコにやられてるんで、あんまり自分では実感ないですけど、そうやって見ていただけて嬉しいです」

――ありがとうございます。重田選手にお伺いしますが、今回最後のフライ級戦になるということですが、そういう風に決めたのはいつぐらいからだったんでしょうか。
重田「元々はストロー級で闘ってて、3戦目からフライ級に上げさせていただいたんですけど、このベルトを獲ったら(ストローに戻そうと)思っていました。でもやっぱり、ベルトを獲ってしっかり防衛戦をするまでがチャンピオンだと思うので、そこでしっかり自分の中でやるぞっていう気持ちで今回はやらせていただきます」

――改めてですけれど、前回のそれぞれの試合を見てどのように感じたかをお2人におうかがいしたいです。じゃあ、そのまま重田選手から。
重田「そうですね、前回は同じ大会日だったので、直接は見られてなかったんですけど、映像で見させていただいて、本当にMMAを綺麗にできる選手だなっていう風に思います。本当に立ちも寝技もバランス良くできて、オーソドックスもサウスポーももしっかりできるし、もう本当の意味でのオールラウンダーなんだなって思います」

――では、杉山選手、お願いします。
杉山「楽しそうだなっていう感じですかね。楽しそうに自分のしたいことをやってるなっていう。良いことです。良い意味で楽しそうだなっていう風に思いました」

――5R戦でも最後まで楽しそうに感じましたか?
杉山「はい、そうです」

――ありがとうございます。前の試合を見てという質問を踏まえて、相手より自分の方が優っていると思うところ、ここは負けないと思うところがありましたら教えてください。杉山選手からお願いします。
杉山「そうですね、ちょっと体格差があるところと、パワー差はあるかなと思っています。あとは前回ちょっと怪我があったので本調子ではなかったですが、今回は何も怪我がないので、もう少しパフォーマンスができる中では、MMAをもう少しできればいいところにいけるかなという、そういうところは秀でているかなと思います。打撃に関しては、そんなにMMAの中で。そんなに自分が差があるとは思っていません」

――それでは重田選手お願いします。
重田「絶対負けないっていうハートじゃ負けないです」

――両選手にお伺いしたいんですけど、タイトルマッチ終わった後、こういったことを考えてるとか、何か目標があればお願いいたします。杉山選手から。
杉山「はい。このパンクラスのベルトを獲ったら、統一戦? っていうか……もう一度挑戦したい選手がいるので(※中井りん。DEEP JEWELSにて対戦相手を募集中。重田も対戦を表明している。中井は『OKだが、タイトルマッチならそちらもベルトをかけてほしい、そうでなければ、ワンマッチでしか受けない』と応答している。杉山は2022年5月、DEEP JEWELSのフライ級グランプリ決勝で中井に敗れ準優勝となった)ちゃんと運動していけたらいいです」

――では、重田選手、お願いします。
重田「試合が終わったらのことですか? そうですね。前回、試合が終わったあと、次の日から練習してちょっと休めてないんで休みたいですね」

――重田選手に関しては、中井りん選手の対戦相手に名乗りを上げていた時期もありましたけど、そのことに関しては、今どういった思いがありますでしょうか。
重田「うーん、まあ実現したら盛り上がるんじゃないかなって思って名乗ったんですけど、ちょっと色々、自分自身にちょっと問題が色々あったんで、ちょっと今は……って感じで、今は一戦一戦目の前のことに集中していければなと思っています」

――重田選手、一言聞かせてください。以前はすごく強気な発言が目立っている印象がありました。で、今回おそらく1つ出来事があったので、言葉も色々と選んでるのかなっていう風に聞いてるんですけれども、前回もその出来事を受けて、 自分の中で何かこう見つめ直したプランだったりとか、もしあったら教えてください。
重田「そうですね、ちょっと盛り上げようと思って強気のキャラで行ったんですけど、ちょっと疲れちゃったんで素に戻ったって感じです。はい」

――両選手にお伺いします。今回の試合、どういったところが、キーポイントなって、最後はどういった形で勝つか、お聞かせください。では、杉山選手からお願いします。
杉山「そうですね、気持ち……ですかね。意地をもって取りに行くところがキーポイントになるかなと思います。」

――ありがとうございます。重田選手お願いします。
重田「杉山選手と同じですね。本当に勝ち切るんだっていう気持ちが強い方が勝つと思うので。当日、その気持ちが強い方が勝つと思います」

この試合は『PANCRASE 346』(7月21日、立川ステージガーデン)にて行われる。
女王・重田は防衛してフライ級有終の美を飾ることができるのか。はたまた杉山がベルトを奪取し、中井りんへのリベンジ、ダブルタイトルマッチを実現するのか。女子格闘技界の今後を含め、見逃せない一戦だ。

(写真・文/佐佐木 澪)

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