中国海南省で働くベルギー人女性、自由貿易港の発展実感

中国海南省で働くベルギー人女性、自由貿易港の発展実感

海南省三亜市の崖州湾科技城を来客に案内するシャルロットさん(左)。(1月23日撮影、三亜=新華社配信)

 【新華社海口7月7日】中国が「海南自由貿易港」として投資や貿易の促進を図る海南省で、その急速な発展ぶりを身をもって感じているベルギー人女性がいる。省南部の三亜市にある三亜崖州湾科技城で働くシャルロットさん。海南自由貿易港の重点産業パークの一つである同科技城で初めての外国人サービス係として、海外企業の支援や誘致などの業務を担当している。

 北京に留学したことがあり、卒業後は欧州で就職したが、活力に満ちた中国が忘れられず、2016年に中国に戻り、三亜市の外資企業で働き始めた。海南自由貿易港の建設は、同地で仕事していくことへのシャルロットさんの自信を強め、21年には何段階もの審査をパスし、同科技城に採用された。

中国海南省で働くベルギー人女性、自由貿易港の発展実感

海南省三亜市の崖州湾科技城でサイザルアサの成長の様子を見る国内外の種子業者。(5月15日撮影、三亜=新華社配信)

 長年にわたり中国で仕事、生活した経験を持ち、西洋、特に欧州人の商習慣を理解しているシャルロットさんは、懸け橋としてぴったりの存在になった。中国投資に関する政策を海外の企業に紹介し、中国市場さらには世界市場への進出を同省がいかに支援しているかを説明する役割を果たし、すでに大きな成果を収めている。同科技城では国際化が加速、すでに欧米などの外資企業100社以上が入居。種子技術分野ではドイツのKWS種子やオランダのキージーンなど業界をリードする国際企業が相次いで進出している。

 「世界をリードする大手企業や外資企業が海南に投資するのは、現地の市場だけでなく、中国全体さらには世界の市場を見据えているからだ」。シャルロットさんはこう指摘する。海南自由貿易港による一連の開放政策を利用することで、多国籍企業はよりスピーディーに中国市場に入り、より良い形で世界市場に進出できるという。

 三亜市では最近も、地中海の島国マルタの海産物養殖会社MFFが支社を設立し、海南自由貿易港に初めて進出したマルタ企業となった。入居完了後、ミナミマグロの貿易や養殖技術研究、養殖加工などの事業を段階的に実施する。同社の責任者は、深海技術や深海漁業などの分野で同市と協力を深めるとともに、同自由貿易港を支えとして東南アジア市場を拡大することに期待を示した。

中国海南省で働くベルギー人女性、自由貿易港の発展実感

海南省最大の国際輸送港、洋浦港の国際コンテナふ頭。(2023年3月13日、ドローンから、海口=新華社記者/郭程)

 海南省はここ数年、自由貿易港の建設を足がかりとし、新時代における中国の改革開放モデルの構築に取り組んできた。シャルロットさんが目にしてきた科技城の変化はその表れの一つと言える。

 データによると、同省の新設外資企業の数は18~23年、年平均65%のペースで増加した。今年5月には多機能自由貿易口座の運用がスタート。クロスボーダーの資金流動が一層便利になり、開始から1カ月余りで取引資金額は人民元換算で46億元(1元=約22円)を超えた。

 省最大の国際輸送港である洋浦港では4月、初の中東直通コンテナ航路が就航した。すでにオーストラリアや西アフリカ、南米東岸など複数の遠洋大陸間航路を含む16本の幹線貿易航路が就航している。(記者/鍾群、呉茂輝)

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