取材ノート 小型店舗の戦略運営が鍵に

 ■コロナ禍以降、「地域最大級」など、規模をアピールする大型店の開設が減っていると感じる。弊紙でも報じたが、大型量販店「コストコ」を巡っては、法人会員による小型再販店の出店が名古屋市内で相次ぐ。コロナ禍の巣ごもり生活を経た今の生活スタイルに、大型店はなじまなくなってきたのだろうか。
 店舗の小型化は、流通だけの動きではない。メガバンクも駅前の一等地から、ショッピングモール内などに移行する動きがある。ネットバンキングの普及で来店数が減少傾向にある中、店舗をコンパクトにして資産運用や資産形成の相談に特化するというのだ。
 地域の中堅企業も同様の方針を打ち出す。先日、取材したカスタムカー販売店の社長は「今後は小型店を出店の基本にする」ときっぱり。店舗の小型化で出店スピードを速め、全国でブランド認知を高める。1店舗当たりの投資を抑制し、従業員も既存店の3分の1程度。人手不足にも対応できる。
 「それに加えて」と社長は明かす。「10人以上のスタッフを抱えると、店長がマネジメントに悩んでしまうことに気づいた。マネージャーを育成する意味でも、今は小型店の出店が最適解」なのだとか。小型店舗の戦略的な運営が、成長の鍵を握る時代になってきたようだ。
 ■松田 理恵子(まつだ・りえこ)岡山県備前市出身。金融・証券、運輸などを担当。体調がすぐれず、病院で検査を受けたが異常がない。他部署にいる同性の先輩社員に相談したら、症状を理解して助言をくれた。女性経営者が同性のネットワークの必要性を説く理由が分かる気がする。

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