野球未経験者そろう大柿、練習の成果刻む 全国高校野球選手権広島大会1回戦

堀井主将(左端)ら3年生を中心にひたむきなプレーを見せた大柿ナイン

【全国高校野球選手権広島大会・1回戦 大竹11-1大柿】(7日、鶴岡一人記念)

 3年間、ひたむきに練習すれば敗れても報われる瞬間がある。大柿は堀井主将をはじめ、高校まで野球未経験の選手が多い。楽しそうに野球をする雰囲気に憧れて入部し練習を積んだ成果をグラウンドに刻んだ。

 主戦山本は、中学時代はソフトテニス部。「冬場のきつい練習のおかげ」と入学時から25キロ速くなった直球を主体に二回まで無失点。三回、相手のバント攻撃と守備の乱れから、大量失点したが、見せ場はつくった。

 四回、唯一の得点となる適時打を放った堀井主将は、キャッチボールからのスタートだった。うまく捕球できず、体にあざをつくることも。「中学を休みがちだった自分を変えたくて入部した。続けてよかった」。中学時代は陸上部の1番小松も二塁打を放った。

 部員は3年生6人と1年生1人の7人。部外の3年生6人の協力で単独出場にこぎ着けた。秋から部員は1人になるため、小松は「来年、新入生が入るのを期待して、卒業まで練習を手伝う」。1989年夏には準優勝した実績のある部の存続を信じ、サポートする。

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