芋がつくった果実感 本格焼酎「KIRISHIMA No.8」全国デビュー 自社育種の原料芋を使用

「これまでにない焼酎をつくりたい」。そんな思いを起点に、サツマイモの育種から取り組んだ本格芋焼酎が登場した。

霧島酒造(宮崎県都城市)がこのほど全国発売する「KIRISHIMA No.8(キリシマナンバーエイト)」。マスカットやみかんを思わせる新鮮な果実感で、さまざまなメニューと好相性。本格焼酎ファンのすそ野を広げたい考えだ。

“クロキリ”の愛称で親しまれる霧島酒造の本格芋焼酎「黒霧島」。「全国の熱烈なファンからは『うまみがあってこそのクロキリ』という声をいただくが、香り、フルーティさ、爽やかさまでは表現できていなかった。今回、果実のジューシーさを思わせる本格焼酎をお届けする」。7月4日の発表会で、同社の江夏拓三専務が自信を込めて語った。

「KIRISHIMA No.8」が原料に使うのは、自社育種したサツマイモの新品種「霧島8(エイト)」。マスカットやみかんを思わせる、新鮮な果実感を生み出すことに成功した。また黒霧島に使用している酵母に加え、独自開発した「エレガンス酵母」を使用することで、より果実感のある味わいを実現している。

8日から全国発売する「KIRISHIMA No.8」

「新鮮な果実感のある味わいでありながら芋焼酎らしさも残し、今の時代の多様な食事に合う商品と自負している。本格焼酎市場は近年縮小傾向にあるが、新しい時代を商品で市場の裾野を広げていきたい」(江夏専務)。

華やかな香りが楽しめる炭酸割りとともに、和食はもちろんチーズ、アヒージョなど洋風の食材やメニューとの相性も訴求。これまで焼酎になじみのなかった人、初めて飲む人も含め、幅広いユーザーへの浸透を図る。

昨春に首都圏で先行発売。「クセがなくフルーティ」「今まで飲んだことのない芋焼酎」など多くの好評の声が寄せられ、「霧島8」の収穫量も安定したことから、満を持して8日からの全国発売を決めた。

既存の490㎖瓶に加え、焼酎ファンにおなじみの900㎖サイズも新たに用意。全国発売を機に、俳優の波瑠さんを起用したTVCMや体験イベント、SNSキャンペーンなど多彩なプロモーションも企画している。

© 株式会社食品新聞社