“5分”で完売!2時間で5万円超のプレミアム撮影会に「撮り鉄」が大集結 サプライズや特別なお土産も【福岡発】

北九州市で開かれた“超プレミアム”な撮影会に、全国各地から「撮り鉄」が大集結した。参加費5万円超えにもかかわらず、わずか5分で完売した最初で最後のイベントに潜入した。

この日だけの特別な“並び”

2024年6月29日のJR貨物門司機関区に、狙いを定め一心不乱にシャッターを切る「撮り鉄」の姿があった。全国から撮り鉄を呼び寄せた被写体は、2024年7月から本格運用が始まった最新の電気機関車「EF510形300番代」だ。

今回の撮影会では、301号機から303号機までが番号順に並ぶ。そこに全国に1両だけ残る製造50年の希少な機関車「EF81形303号機」を加え、世代交代する機関車が番号順に揃う特別な“並び”が演出されている。

50人限定の撮影会の参加料は、形式510形にちなんで5万1000円。なかなか強気の設定だが、門司機関区の山下英智区長は「わずか5分で完売になりましたので、これはしっかり頑張らないといけないなと思っています」と気を引き締める。

予想を超えた人気ぶりに、写真写りが良くなるよう車両は念入りに化粧直しされ、さらに寝台特急ブルートレインが掲げていたヘッドマークも撮影用に揃えられた。

最初で最後のシャッターチャンス

午前9時半、撮り鉄にとっては「これを逃せば二度と実現しない」という待望の撮影会がスタート。ピカピカの最新型といぶし銀の旧型が並ぶ最初で最後のシャッターチャンスが訪れた。

参加者たちは、「廃車になる可能性も高いので、最後の勇姿を記録に収めようと」「きのう飛行機で仕事を早めに切り上げて来ました。多分400枚くらい撮ってる」と誰もが興奮を隠せない様子だ。

ヘッドマークを掛け替えながら、全体が見える位置や間近な位置など、いくつもの撮影パターンが用意された。さらにサプライズ企画として、この日を最後に廃車となる最古参の機関車も動かした。

「機関車は日本の物流を支えている」

撮影会を終えた参加者は、「“プライスあり”なんですけど、撮りたいとき、撮れるときには撮っておこうということですね」「清水の舞台から飛び降りる気持ちで参加しました。交通費とかも別途かかってるんで、はじめは本当に悩んだんですけど。(家族には)内緒にしてます(笑)」などと答えてくれた。

さらに参加者には、“特別な”お土産も用意されていた。希少な機関車の実際の部品を加工したお手製の文鎮だ。これには参加者も「包装も手作りで温かみを感じるんですけども、何よりも記念になります」と喜びを隠せない様子だ。

検修(車両検査)担当の辛嶋隆昭さんは「貨物列車って遅くて汚いというイメージがあると思うんですけど、実は速くてきれいな機関車が走ってる。日本の物流を支えてるんだよというのを知っていただきたい」と熱く語った。

撮りたいファンとPRしたい鉄道会社のニーズが一致したプレミアムな撮影会。門司機関区では、今後の開催も検討しているという。

(テレビ西日本)

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