【韓国ドラマ】Netflix『Missナイト & Missデイ』にも登場したチキンと生ビールの珍場面!韓国人が好む「この酒にはこの食べ物!」おすすめ選〈前編〉

ソウル、安国駅前の小さなHOFで頼んだ生ビールとチキン

Netflix人気作『Missナイト&Missデイ』は、地方都市に赴任してきた冷徹で厳格なケ・ジウン検事(チェ・ジニョク)が人間らしさを回復してゆくシーンが見どころのひとつだ。

夜の主人公イ・ミジン(チョン・ウンジ/Apink)と昼の主人公イム・スン(イ・ジョンウン)、ミジンの両親(チョン・ソギョンとチョン・ヨンジュ)はそれを手助けする役割を担っている。

第6話ではチキンHOF(庶民的なビアホール)でのおとり捜査に引っかかった、コミカルな女子もそれに一役買っていた。今回はそのシーンに登場したチキンとビールという定番の組み合わせの話題をきっかけに、韓国人が好む「この酒にはこの食べ物」を紹介しよう。(記事全2回のうち前編)

■『Missナイト & Missデイ』にも登場!チキンとビールは定番の組み合わせ

『Missナイト & Missデイ』6話、チキンHOF(フライドチキンでビールを飲ませる店)のテーブル席につくケ・ジウン検事と女子。チキンが運ばれてくると、隣に座った女子は熱いからとビールを頼む。

チキンHOFという業態があることからもわかるように、韓国ではフライドチキンとビールが定番の組み合わせであることは、キム・スヒョンとチョン・ジヒョン主演ドラマ『星から来たあなた』や、リュ・スンリョン主演映画『エクストリーム・ジョブ』を観た人ならピンと来るだろう。

チキンでメクチュ(ビールの韓国語)を飲むことを略して「チメク」と呼んだりする。

釜山、富平洞の人気店「コイン・トンタク」のチキンと生ビール

ビールとチキンのように、韓国人が好む酒と食べ物の組み合わせには、日本の人にすんなり受け入れてもらえるものもあれば、「ん?」という反応が返ってくるものもある。

ここからは、そのいくつかを挙げるので、夏休みの韓国旅行で試してみてもらいたい。

■焼肉にはビールじゃなくソジュが合う

日本では焼肉を食べるときはビールを飲む人が多い印象だが、韓国では冷えたソジュ(焼酎)を氷やお茶などで割らずに、生(き)のまま飲むのが一般的だ。

1990年代後半、筆者が日本に語学留学していたとき焼肉店でアルバイトしていたのだが、ソジュを飲む人がほとんどいないのが不思議でならなかった。日本の焼肉は漬けダレが総じて甘いので、すっきりしたソジュが合うのになあと思った記憶がある。

しかし、日本で韓国のソジュが生のままで飲まれるようになったのは、パク・ソジュン主演ドラマ『梨泰院クラス』が配信され、コンビニやスーパーにチャミスルをはじめとする韓国ソジュが並ぶようになった2020年以降なのだから無理もない。

韓国人は脂っこい食べ物や甘辛い食べ物にはソジュを合わせることが多い。ここ数年の訪韓経験者の増加で、その醍醐味をわかってくれる日本の人も増えたのではないだろうか。

トゥンシム(牛ロース)とソジュ

■ビールと炙った干し鱈はハマること間違いなし!

首都ソウルの乙支路3街辺りには大箱のHOFが多い。若い客が増えた2010年代後半以降、つまみは多彩になったが、それ以前の中高年男性客が多かった頃は炙った干し鱈(ノガリクイやファンテクイ)が主流だった。

筆者が日本からの旅行者をこの辺りに案内し始めた頃は、「ビールに干し鱈?」という反応が少なくなかったが、一度経験するとほとんどの人がハマった。

乙支路3街駅の北西方向に広がるビアホール街のノガリクイ(鱈の幼魚の干物)と生ビール

この組み合わせは、韓国の南西部に位置する全州(全北特別自治道の中心都市)のカメク(シュポに近い業態)でも一般的だ。

カメクでは、良質のファンテを丁寧に叩いて身をほぐしたものを炙っているので、身を折ると粉を吹くほど。それが口中の水分を奪ったところに、ビールを流し込むのが最高である。(つづく)

全州のカメクの人気店「ジョンイル・シュポ」のファンテクイとビール

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