南イタリアでオリーブ植林 持続可能な生産に貢献 日清オイリオグループ

日清オイリオグループは、BOSCOオリーブオイルの主な生産地である南イタリアのオリーブ農園にオリーブの木を植林した。

オリーブオイルは、スペインやイタリアを中心とした地中海沿岸のヨーロッパで世界の約6割が生産されている。ヨーロッパでは近年、気候変動の影響で不作が続いており、世界的に需給がタイトになっている。

また、イタリアでは植物を枯死させるピアス病菌の感染拡大が続いており、今後5年間でイタリアにおいて枯死するオリーブの木による経済損失は52億ユーロに上ると推計されている。さらに、イタリアのオリーブ農園では多くの木が植え付けから年数が経ち、老木化により生産性に影響を与えている。

日清オイリオでは、イタリアの干ばつの影響やピアス病菌で被害を受けた2つのオリーブ農園にピアス病菌への耐性が強い品種のオリーブの木の植林を実施。今年は約1千200本を植林し、今後も継続する予定だ。

同社グループは「日清オイリオグループビジョン2030」の重点領域の一つに「信頼でつながるサプライチェーン」を掲げており、持続可能な方法で生産された原料を用い、将来にわたって安定したサプライチェーンを構築することを目指している。

今回の植林では、病原菌に耐性のある品種の若いオリーブの木を用いたことで、厳しい環境下にあるオリーブ生産の安定化に貢献することが期待されている。同社では「これからも持続可能な原料を用いて、生産地とともに課題解決に取り組み、大切な植物油を将来にわたってお届けし続けていく」とコメントした。

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