中国、マレーシアとの産業協力を深化

中国、マレーシアとの産業協力を深化

広西チワン族自治区に位置する中国・マレーシア欽州産業パーク。(4月22日撮影、欽州=新華社記者/趙歓)

 【新華社南寧7月8日】中国広西チワン族自治区では2012年に中国・マレーシア欽州産業パーク、マレーシア・パハン州では翌13年にマレーシア・中国クアンタン工業団地が稼働を開始し、「両国双園」の新たな協力モデルを切り開いた。十数年にわたり、この協力モデルはプロジェクト建設やイノベーション協力などの面で大きな成果を収め、中国・マレーシア間の産業協力の深化を促してきた。

 中国・マレーシア欽州産業パークではインフラ、都市機能、産業関連施設の整備が進んでいる。第1期分の15平方キロは開発がほぼ完了し、入居したプロジェクトは249件以上、投資額は295億元(1元=約22円)を超える。貿易額は332億元以上、外資導入額は8億5千万ドル(1ドル=約161円)以上となっている。

 同パークはここ数年、中国とマレーシアの天然資源や産業の優位性、市場を生かし、相互補完性のあるクロスボーダーの産業チェーン、サプライチェーン(供給網)、バリューチェーンを構築している。

 マレーシアの東西両海岸地域では、独特の熱帯雨林気候によって豊かな森林資源が育まれており、地元の農家は土地柄に応じた「燕屋」(ツバメが巣を作るための小屋)を建て、洞窟に巣を作るアナツバメにとって理想的な生息地と繁殖地を提供している。マレーシアから中国・マレーシア欽州産業パーク内のツバメの巣の加工貿易拠点に至るまで、ツバメの巣はいくつもの工程を経て、中国で人気の高い製品になる。

中国、マレーシアとの産業協力を深化

中国・マレーシア欽州産業パークにあるツバメの巣関連企業のクリーンルームで製品をチェックする作業員。(4月22日撮影、欽州=新華社記者/趙歓)

 長年にわたる全産業型、クラスター型の発展を経て、ツバメの巣産業は中国・マレーシア欽州産業パークにおける重要な生産能力に関する国際協力プロジェクトとなっている。パークに入居するツバメの巣関連企業は22社、製品の輸入額は累計で7億900万元、工業生産額は3億1600万元に上る。

 東海岸地域に位置するマレーシア・中国クアンタン工業団地では現在、港湾や埠頭、工場、サービスエリアの建設が急ピッチで行われており、鉄鋼やタイヤ、ガラス、アルミニウム型材などを中心とする産業クラスターの形成が進んでいる。

 港湾運営を手掛ける広西北部港湾国際港務集団傘下の北部湾控股(マレーシア)の梁平錦(りょう・へいきん)副総経理によると、同工業団地は「港湾・産業・パーク」の連動により、飛躍的な発展を遂げた。総面積12平方キロのうち、4月時点で約10平方キロの土地開発が完了し、入居したプロジェクトは13件、工業生産額は600億元を超え、クアンタン港の取扱量は毎年1千万トン以上増加している。

 中国・マレーシア欽州産業パークとマレーシア・中国クアンタン工業団地の「両国双園」協力は花開き、大きな実を結んでいる。過去12年で、欽州産業パークが締結したプロジェクトは249件、固定資産投資額は約295億元、工業生産は938億元に上り、バイオ医薬品や電子情報、新エネルギー材料、ツバメの巣、ドリアン、パームオイルなど東南アジア諸国連合(ASEAN)の特色ある製品の加工貿易産業の集積を実現している。クアンタン工業団地のプロジェクトは13件、投資額は440億元以上、工業生産額は600億元以上となっている。

中国、マレーシアとの産業協力を深化

広西チワン族自治区欽州市に位置する欽州自動化コンテナふ頭。(5月28日撮影、欽州=新華社記者/趙歓)

 欽州港とクアンタン港も「姉妹港」関係を結び、コンテナ船の直行航路を開設した。「両国双園」間の海上物流ルートは増加し続けており、国境をまたぐ協力を物流面で保障している。

 欽州の王雄昌(おう・ゆうしょう)市長は、今後は地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の実施、中国ASEAN自由貿易圏3.0版の実現などの機会を捉え、中国とマレーシア間の産業協力を深める方針を明らかにした。ツバメの巣やパームオイル、ゴムなどASEANの特色ある製品の地域的影響力を持つ調達プラットフォームと産業コミュニティーを構築し、マレーシアでの中国西部地域と東南アジア諸国を結ぶ輸送ルート「西部陸海新ルート」のサプライチェーン資源センター形成を推進するとしている。

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