子どもの『プログラミング教育』って何をするの? 「授業以外で対策をしている」保護者はわずか2割

2020年に義務化された、小学生のプログラミング教育。これを受けて、不安を感じている保護者も多いのではないでしょうか。

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「子どものプログラミング学習」に関する調査(※1)では、4割以上の保護者が「子どもがプログラミングの授業についていけるか不安」と回答。さらに、「学校の授業以外で対策をしていない」という人が7割超を占める結果となりました。

(※1)2024年3月15・16日の2日間にわたり、株式会社シンクプラスがインターネット上で実施したアンケート。小学校低学年の子どもを持ち、「子どもに習い事をさせたい」と回答した1021人が対象。

このほどラジオ関西の番組『Clip』で、IT分野の人材育成を行うシードテック株式会社のCTO・平井真哉さんに、プログラミングやプログラミング教育について聞きました。

そもそもプログラミングとは、Amazonや楽天をはじめとしたネットの通販サイトや、SNSが機能するための仕組み。

平井さんはさらに、「『ボタンを押したらこういう反応をしてこういう機能があって』というのは、すべて裏側にプログラミングがあります。最近では家電の裏側でもプログラミングが組まれていて、『このボタンを押したらこういうことをしゃべる』などの仕組みが作られています」と解説。プログラミングは、どこでも当たり前に使われるものになってきているそうです。

急速にインターネット化が進み、プログラミングを必要とする場面が増えてきているいま、スマートフォンならiPhone、SNSならLINEやFacebookなど、身の周りのものには海外製品や海外発のサービスが増えています。

「海外製のサービスにお金を払うことで、せっかく日本でがんばって稼いだお金がすべて海外に出ていってしまう状態になっている」と語る平井さんは、日本と海外の差に危機感をつのらせます。

デジタル時代が到来しているなか、日本は深刻なITエンジニア不足。そこで、早くからそういった技術に触れさせるため、小学校でのプログラミング教育につながっているのだといいます。

プログラミング教育については、いきなりコンピュータ用の言語を勉強するわけではなく、簡単な仕組みを学ぶのだそうです。

「たとえば、自分でリモコンの機能を作るブロックがある。『進む』『止まる』などのパーツがいっぱいあって、それらを組み合わせて『スタート』を押すと、その組み合わせの順番に動く。まず、『こう作ったらこう動くんやな』というような思考を学ばせる。よく言われる言葉だと“プログラミング的思考”を学びます」(平井さん)

そんな平井さん自身がプログラミングを学んだのは、大人になってからなのだそう。はじめは独学だったこともあり、さっぱり理解できず挫折したこともあったのだとか。

当時は簡単にプログラミングを学べるサービスも少なかったそうですが、「現在はサポートも多く学ぶ環境はたくさんあると感じている」といいます。

ITエンジニア不足にともない、平井さんもエンジニアを育てる取り組みを行っています。昨年には、IT職未経験の若者に向けた研修を実施。IT人材としてのキャリアをスタートできる環境を神戸市にて整え、その結果、9人が大手企業のシステム開発に従事することになったそうです。

今後目指すべき未来について、平井さんは「読み・書き・そろばんくらい、プログラミングが当たり前になってほしいです。僕自身、プログラミングをやったことで人生が変わったと思っているので」と語りました。

※ラジオ関西『Clip 木曜日』2024年6月20日放送回より

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