Juju担当エンジニアに聞く富士テストの収穫。新ドライビングスタイルやフィードバックの向上も

 7月7日から8日にかけて富士スピードウェイで実施された全日本スーパーフォーミュラ選手権の公式テスト。TGM Grand Prixから参加したJujuこと野田樹潤は、1日目に85周、2日目に66周と多くの走行を重ねた。

 そのなかでも、今回はドライビングでの癖の解消を要点のひとつとして取り組んでいたようで、Juju本人は「いろいろと試せたことはポジティブでした」と好感触を語った。

「今回は、(ドライビングを)いままでとはガラッと変えてみたりもして、できることを試していきました」

「そのなかでは、今まで良いと思っていた乗り方から切り替えてみたり、たくさんの先輩ドライバーの運転スタイルを取り入れてみたりと、いろいろなことにチャレンジしてみました」

2024スーパーフォーミュラ富士公式テスト Juju(TGM Grand Prix)

 Jujuが乗る53号車を担当する平野亮エンジニアも、今回のアプローチを次のように説明した。

「まずは事前にシミュレータードライブやミーティングを重ねて、ドライビングの課題を洗い出した状態でテストに臨みました」

「そのなかで今回は、我々から彼女のお父さん(野田英樹ドライビングアドバイザー)へ、Jujuのウイークポイントを伝えました。それについて、つねに無線で彼女の運転に対するフィードバックをもらいながら進めることができました」

「結果として彼女のドライビングの癖や課題については、どんどんと解決していくことができたなと思っています。それは、トップとのギャップが少なくなってきてる、ということにも繋がるのかなと」

 実際に、1日目にペースアップの末に見せたベストタイムも2日目の午前には更新するなど、タイム面でも改善が見られたJuju。さらに今回は多くを試せるテストということで、マシンの挙動に対する理解や、セットアップに対するフィードバックのクオリティアップについても重点的に取り組んだという。

2024スーパーフォーミュラ富士公式テスト Juju(TGM Grand Prix)

「経験のあるドライバーたちなら、今回のような暑い状況にも(その理由に対する)フィーリングがあると思います。少しは翻弄されてしまったところもあったと思いますが、クルマ自体に対してのフィードバックがどんどん改善していきました」と平野エンジニア。

「具体的には、『このセットアップならこう動くかな?』という我々からのインプットに対して、Jujuのアウトプットが良くなってきていました」

「なので、彼女のドライビングの癖を考えたときにも、『じゃあこっちのセットでやりたいよね』というような会話ができるようになりましたし、チームにとっても彼女にとってもいい方向に進んでいると思います」

 今回取り組んだプログラムの根底には、「今のSFは、ドライバーがクルマを知らないと速く走れない」という平野エンジニアの想いもあったという。今回のテストでは、タイム自体やドライビングの習熟はもちろんのこと、マシンに対する“理解が深まっていく様子”が現われたというところも、2日間のテストで得られた大きな収穫だったようだ。

2024スーパーフォーミュラ富士公式テスト Juju(TGM Grand Prix)

投稿 Juju担当エンジニアに聞く富士テストの収穫。新ドライビングスタイルやフィードバックの向上もautosport web に最初に表示されました。

© 株式会社三栄