11歳で親元離れ44歳から一人暮らし 最初は家族も施設も反対したけど「弟が理解してくれた」 脳性まひの新垣強さん、日々の暮らし紹介

「にしはら公民館カフェ」で講話し、恩師らとの再会を喜ぶ新垣強さん(右)=6月16日、浦添市・西原公民館

 【浦添】毎月第3日曜に住民らが世代を超えて交流する「第18回にしはら公民館カフェ」が6月16日、浦添市の西原公民館であり、脳性まひの新垣強さん(63)が講話した。地域に支えられつつ交流を楽しむ日常を紹介し「これからも地域の皆さん一人一人と手を取り合いながら共に支え合っていきたい」と話した。

 生まれつき脳性まひで、11歳から親元を離れ施設で生活。44歳の頃に西原地域で1人暮らしを始めた。最初は家族や施設から反対され不安も感じたが、「弟だけが理解してくれたおかげで、自立生活の一歩を踏み出せた」と感謝を込めた。

 スクリーンに映像を映し出し、日々の生活や自宅での様子をユーモアも交えて紹介。散歩で出会った少女らとのエピソードや、急な雨の時に傘を貸してくれた親子、帽子を落として困った時に拾ってくれた少年への感謝も語った。

 当初は不安でいっぱいだった1人暮らしも、地域との交流を通して楽しんでいると話し「人はどんなに健康でも障がい者でも一人では生きていけない。手を取り合い楽しく支え合っていければ」と笑顔を見せた。

 会場には恩師の山城初子さん(85)=同市前田=らの姿もあった。久々の再会を喜び、「地域で支えていただきありがたい。これからも応援したい」と話した。(浦添西原担当・新垣玲央)

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