亡き迫田穆成前監督の教え実践 竹原、恩師を「甲子園に」 全国高校野球選手権広島大会1回戦

スタンドで迫田さんの遺影を掲げながら校歌を聴く竹原の保護者たち

 【全国高校野球選手権広島大会1回戦 竹原8―0安西(8日)】

 恩師とともに戦う夏が始まった。竹原は、昨年12月に亡くなった前監督の故迫田穆成さんの遺影がベンチやスタンドから見守る中、コールド発進。天野耕平監督は「成長した姿を見せたい」と恩返しを誓った。

 チームの合言葉は「迫田さんがグラウンドにいる気持ちで戦おう」。一回、2番竹森夢月がノーサインで試みた盗塁が敵失を誘い、三塁へ。味方の適時打で先制のホームを踏んだ。常に選手に「創意工夫」を求めた迫田さん。竹森は「監督の教えを実践できた。自分たちの野球をして、迫田さんに良いところを見せる」と汗を拭った。

 スタンドにはかつての教え子も駆けつけた。2022年夏の広島大会で35年ぶりに4回戦進出した時の主将でエースだった新納涼介さんは「4回戦の壁を突破し、迫田さんを甲子園に連れて行ってあげてほしい」と後輩に託した。

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