アルプスに響くサプライズ 高校球児が演出した「人生で一番最高の誕生日」

七回、高陽東2死二塁、4番銅金が左越え適時二塁打を放ち、4―1とする

 【全国高校野球選手権広島大会1回戦 高陽東4―2英数学館(8日)】

 「仲間の誕生日に勝つ」―。高陽東は英数学館を破り、初戦を突破。2安打2打点で勝利に導いた銅金大起は「4番の仕事ができた。プレゼントになったかな」と誇らしげに、表情を崩した。

 試合前のアルプススタンドに鳴り響いたバースデーソング。1番の土井孝太郎主将と、けがでメンバーを外れた3年の加藤俊に向けられた「サプライズ」だった。試合に入ると、選手が思いをプレーで体現。少ない好機を確実に得点につなげた。

 土井主将は自らのバットでも祝った。二回2死から左越えの二塁打を放ち、貴重な2点目のホームを踏んだ。「人生で一番最高の誕生日。仲間から勝利のプレゼントをもらった。優勝で恩返しする」。目標である2005年以来の甲子園へ。接戦を勝ち抜いた自信だけではなく、絆もさらに深まった。

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