倉田瑛茉が松村北斗を好きすぎてNGに? 『西園寺さんは家事をしない』Pが見どころを語る

松本若菜が主演を務め、松村北斗(SixTONES)が相手役を務めるTBS火曜ドラマ『西園寺さんは家事をしない』。第1話の放送を前に、岩崎愛奈プロデューサーのインタビューコメントが公開された。

本作は、講談社『BE・LOVE』で連載中の同名コミックを実写化するハートフルラブコメディ。徹底して家事をしない主人公・西園寺さんと年下の訳ありシングルファーザー&その娘の風変わりな同居生活を通して、幸せとは何か、家族とは何かを問いかける。

主人公・西園寺さんを松本、西園寺さんと「偽家族」として一緒に暮らすことになる楠見俊直を松村、俊直の娘・ルカを子役の倉田瑛茉が演じる。そのほか、藤井隆、濱田マリ、横田真悠、水澤紳吾、うらじぬの、大朏岳優、塚本高史、野呂佳代、村川絵梨、浅野和之、津田健次郎がキャストに名を連ねている。

ひうらさとるの原作をドラマ化したいと思ったのは4年前だったことを岩崎プロデューサーは明かす。

「4年前に『私の家政夫ナギサさん』のプロデュースを担当し、それからコロナ禍を経て、今、改めて“家事”や“家族”に向き合う作品をやってみたいと考えたのがきっかけでした。『ホタルノヒカリ』でズボラな女性をとてもチャーミングに描かたひうらさとる先生の原作を拝読していました。女子力がもてはやされていた時代に、ズボラな女性を肯定してもらえるような作品が印象的で。私自身、そのおかげで『ズボラでもいいか!』と自分を認めることができたので、先生の作品はとても心に残っていました。そんな中、多くの方が向き合わなければならない“家事”というものが題材となっているひうら先生のこの作品と出会い、家族や家事、育児など、普遍的な問題に対して、『こういう風に生きたらもっと楽しく生きていけるんじゃない?』という1つの優しい提案をいただいたような気がして、すぐに『これはドラマでやりたい!』と思いました」

主人公・西園寺さん(松本若菜)の“家事をやらなくても死なない”には、「もうめちゃくちゃ共感します(笑)」と続ける。

「私自身、家事が苦手でして、できるだけ簡単にやりたい、できればやりたくない!と思っていますので、西園寺さんのマインドは共感の嵐。世の中にも同じように考えている方々は多いと思うので、西園寺さんはとても素敵な主人公になると確信しました。また、私自身、子どもが生まれたことで、家事と仕事に育児がプラスされ、目まぐるしい日々を送っています。もう1分1秒の時間が足りないという感覚で、家事はできるだけ楽をしたいと再確認しました(苦笑)。

一方で、ちょっとした変化も起きたんです。めんどくさくて洗濯が嫌いなんですが、子どもの小さな洗濯物を畳む時に幸せを感じたり、子どもが散らかした物を片付けた時に新しくできるようになったことの痕跡があって、『こんなこともできるようになったんだ』という発見と喜びがあったり、苦手ながら作った料理を美味しそうに食べてくれると、つい調子に乗って『もっと作っちゃおうかな』と思ったり。苦手だったこと、面倒だったことに、喜びや楽しさを見出す自分がいて、『大事な存在が増えたことで家事への思いが変わるんだ』とか『家事にもこういう側面があったんだ』と気づけました。とはいえ、やっぱり家事は苦手だし、どうにかして楽はしたいですけど(笑)。

この物語の中で、西園寺さんが家事、家族、育児とどのように向き合うのか。どんな変化が起きるのか、私自身もワクワクしています。昨今は、多様性という言葉が多く取り上げられるようになりましたが、はたして皆が生きやすくなったのかといえば、まだまだそうではないと感じています。ただ、そうしたテーマに重く切り込み、押しつけがましいドラマにはしたくなかったので、1つの例として、『たとえばこういう生き方、こういう助け合い方もあるかもね』と提案できたらいいなと思っています。みんながそれぞれの答えを見つけるヒントになればなと」

現場の雰囲気は「とても和やか」と岩崎プロデューサーはその裏側を明かす。

「撮影は多くの人が関わるのでどうしても大変になりますが、バタバタしつつも、どこかで誰かの笑い声が聞こえています。それに、若菜さんがいつも笑顔で現場を明るくしてくださり、みんなが気持ちを柔らかくしてもらっています。若菜さんと松村さんの素敵なお芝居を見れば、自然とモチベーションが上がりますし、それに加えて、“ルカとリキ(=西園寺さんの愛犬)”という最強にかわいいコンビがいつも現場にいてくれるので、和やかな空気になります。ルカ役の倉田瑛茉ちゃんを見ると、みんな必然的に優しい気持ちになって目じりが下がるんです(笑)。若菜さんと松村さん、瑛茉ちゃんは、撮影現場ではもはや本当の家族のよう。若菜さんも松村さんもルカやリキがいるところに自然と集まるので、その空気感がとても自然で、本当の家族みたいだなといつも微笑ましく見ています。瑛茉ちゃんはまだ4歳なので、予測不能なこともたまにあります(笑)。でも、それが若菜さんと松村さんの大きな包容力のおかげで、瑛茉ちゃんが想像もしなかったような力を発揮する場面が多くありました。現場には想定外のことがあっても、それを面白さに変えていこうという空気もありますね。先日、ルカが『やだやだ!』とダダをこねるシーンの撮影で、瑛茉ちゃんが松村さんのことを好きすぎて、ニコニコになってしまう微笑ましい出来事もありました(笑)」

続けて松本若菜と松村北斗の芝居については次のようにその魅力を語った。

「若菜さんは本当に魅力的で、いろいろな表情を持った方だと思っています。西園寺さんは、仕事もできて自立した女性。でも、『絶対家事はしない』と決める極端なまでの潔さがあったり、こうと決めたら勢いで素っ頓狂な方向に突っ走ってしまうちょっと変わっている女性でもある。そこのバランスがとても難しいのですが、若菜さんはそれを見事に体現してくださっています。『こんなに仕事ができるのに、こんな変なこと言っちゃうの?』『こんな変なことしちゃうの?』というところも西園寺さんの大きな魅力です。西園寺さん節と言いますか、変だけど確信をついたパワフルなセリフが飛び出すこともあるのですが、それを若菜さんがとても面白くしてくれています。松村さんには、以前からミステリアスでクールな印象を持っていたので、楠見くんのイメージにとても合うと思っていました。キリッとして隙がなく、少し近寄り難い雰囲気かと思いきや、ルカと一緒にいる時はとても優しい眼差しで本当のパパかと思うぐらい。そのギャップがとても魅力的です」

最後に視聴者へ向けてメッセージを送った。

「本作はこれまでの火曜ドラマの軽やかさは継承しつつ、少し違うところに切り込んでいたり、いろいろと新しいことに挑戦する物語になっています。恋という言葉では括りきれないような大きな愛情、心と心が通じ合った関係性のようなものを描く、新しいラブストーリーにしていきたいと考えています。正反対でちぐはぐな西園寺さんと楠見くんが出会うことで、2人の人生がどう変わっていくのか、心の奥底にある蓋をした過去や思いどのように開かれていくのか、ルカを含めた3人がどういう関係を築いていくのか。ぜひ注目していただけたらと思います」

(文=リアルサウンド編集部)

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