「FC東京も松木も不幸」山本NDの“移籍発言”がミスリードにつながる恐れも「あたかも移籍するかのように伝わって」

パリ五輪に臨む大岩ジャパンのメンバー発表の席で、山本昌邦ナショナルチームダイレクター(ND)は松木玖生選外の理由を「移籍の可能性があります」と述べた。会見場でこの発言を聞いた識者の河治良幸氏は「自分のファーストインプレッションもそうですが、あたかも移籍するかのように伝わってしまった」と証言している。

「メディアもファン・サポーターも“移籍!”ってなったと思います」

しかし、現状では何も決まっていない(もしくは発表されていない)。あくまで「移籍の可能性がある」だけの話である。ここをしっかりと押さえておかないといけない。

ただ、あの発言が「松木は今夏に移籍する」というミスリードにつながる恐れがある。河治氏は言う。

「(移籍話を)進めているとは思いますが、その先が決まっていない。で、FC東京に残る可能性も十分にありますよね、(パリ五輪の)大会期間中は。その点で捉えられ方を間違えると、FC東京も松木選手も不幸。結果的に色んな影響が起きてしまいました」

もっとも、河治氏は別に山本NDを全面的に批判しているわけではない。

「良いほうに解釈すると、大岩(剛)監督が言えないことを山本さんが言った。加えて、松木選手を実力で落ちたわけではないことをはっきりさせました」

ある種のモヤモヤを取り除いた点で、山本NDの発言をポジティブに捉えることもできる。いずれにしても、松木の未来が輝くことを強く願いたい。

構成●サッカーダイジェストTV編集部

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