県内2024年上半期の倒産38件 3年ぶり減少 東京商工リサーチ熊本支店「TSMC波及効果で抑制」

 東京商工リサーチ熊本支店が5日発表した2024年上半期(1~6月)の熊本県内企業の倒産件数(負債額1千万円以上)は、前年同期比4件減の38件、負債総額は50・6%減の44億6100万円だった。倒産件数、負債総額ともに3年ぶりに減った。

 倒産件数が10年ぶりの高水準となった全国と違う傾向が出ていることについて、熊本支店は「台湾積体電路製造(TSMC)などの半導体関連企業の進出に伴う経済波及効果の影響で、倒産が抑制されている」とみている。

 新型コロナウイルス禍関連の倒産は前年同期比8件減の19件、熊本地震関連は2件減の1件だった。業種別にみると、サービス業が最多の14件。建設と卸売がそれぞれ6件で続いた。原因別では、販売不振が34件で全体の9割を占めた。

 負債総額が半減したのは、前年同期に2件あった負債額10億円以上の大型倒産が発生しなかったため。

 6月単月の倒産件数は前年同月比7件減の7件、負債総額は56・0%減の5億500万円だった。先行きについて、熊本支店は「コロナ対策融資の元本返済や物価高などで事業運営が難しくなり、中小規模の事業者を中心に倒産の増加が懸念される」とみている。

 帝国データバンク熊本支店が発表した24年上半期の法的整理件数は37件、負債総額は44億7千万円。6月単月の倒産件数は7件、負債総額は5億900万円だった。(山本文子)

© 株式会社熊本日日新聞社