「和牛日本一奪還を」大分県内の生産者らが県推進協議会設立 27年の全国共進会に向けて【大分県】

設立総会であいさつする森誠一会長(右から2人目)=8日、大分市古国府
設立総会に出席した関係者

 牛の繁殖能力や肉質を競う「全国和牛能力共進会」の2027年北海道大会に向けて8日、県や県内の農業団体、生産者らが県推進協議会を発足させた。5年に1度の開催で和牛のオリンピックと呼ばれ、審査結果は「おおいた和牛」ブランドに影響する。前回22年の鹿児島大会は全出品区で優等賞を取ったものの、種牛の部は2大会連続の最高賞を逃した。日本一奪還へ、牛の飼育や選定といった準備を進める。

 設立総会が大分市古国府のJA全農県本部であり、関係者ら約80人が出席。協議会長に森誠一県畜産協会長(50)を選んだ。森氏が「これまでの歴史や先輩方が築いた技術を受け継ぐことが重要。最高賞を目指し、これから3年間、ワンチームとなって頑張ろう」とあいさつした。

 県勢は北海道大会で、見た目などで雌雄の繁殖能力をみる「種牛」や枝肉を評価する「肉牛」、「高校・農業大学校」など全9区に計22頭を出品する予定。

 会合では枝肉の重量や質といった大会の審査基準を見越し、種雄牛や交配する雌牛の選定基準などを確認した。県農林水産研究指導センターを中心にした指導班を設置し、飼育のばらつきをなくす。11月から肉牛に出品するための人工授精が始まる。

 県勢は1970年鹿児島大会、2017年宮城大会の種牛部門、02年岐阜大会の肉牛部門で計3回、グランプリに当たる内閣総理大臣賞を受賞した。前回鹿児島大会は種牛の第2区で農林水産大臣賞(1位)になったものの、2大会連続の最高賞には届かなかった。肉牛も7位が最高だった。

 協議会事務局の県畜産技術室は「種牛、肉牛ともに日本一を目指す」と意気込みを語った。

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