ユーロ2024準決勝の笛を吹くのは過去に八百長を起こしていたレフェリー

フェリックス・ツバイヤー審判員 写真:Getty Images

ドイツで開催中のユーロ2024(UEFA欧州選手権)も佳境に迫っているが、過去に八百長試合を演出したレフェリーが大事な準決勝の笛を吹くようだ。UEFAは、7月11日(日本時間)に行われるイングランド対オランダのユーロ2024準決勝に、フェリックス・ツバイヤー審判員を任命した。

ツバイヤー審判員はかつて、ロバート・ホイツァー審判員から300ユーロ(約52,000円)の賄賂を受け取り、2005年に6ヶ月間の審判禁止処分を受けている。当時の調査では、ツバイヤー審判員は2004年5月にヴッパーターラーSVボルシア(現ドイツ4部)とヴェルダー・ブレーメン・アマチュア(現5部ヴェルダー・ブレーメンII)の試合前に賄賂を受け取り、ヴッパーターラーに有利な判定を下したとして有罪となった。

2021年、ボルシア・ドルトムントでプレーしていたイングランド代表のMFジュード・ベリンガム(現レアル・マドリード)は、ブンデスリーガの大一番デア・クラシカーでバイエルン・ミュンヘンに2-3で敗れた後、試合後のインタビューでこのレフェリーに言及。「ドイツで一番大きな試合を、過去に八百長をしたことのあるレフェリーに任せるんだ。何を期待しているんだ?」と語り、4万ユーロ(約700万円)の罰金を科せられた。

ドルトムントのチーフ・エグゼクティブであるハンス・ヨアヒム・ヴァツケ氏は「はっきりいっておくが、ジュードは嘘を広めたのではなく、過去に起きたことをいったのだ。この発言はあってはならないことだが、そこに事実と異なる点は見当たらない」と当時べリンガムを擁護している。

また、イングランドサッカー協会は『ESPN』の取材に対し、ツバイヤー審判員のユーロ2024準決勝起用についてコメントを避けているとのこと。処分を受けて以降、不可解な判定の度に「八百長審判」と称される同審判員は、この代名詞をレフェリングで覆せるのか注目があつまる。

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