揺れる政権 自民党・岸田総理の退陣論と参院選に向けた候補者動向【新潟】

揺れる政権

9月に予定される自民党の総裁選。裏金問題や低調な支持率を背景に、県内からも岸田総理の退陣論が湧き上がっています。その状況の中、来年夏の参議院選挙に向け、自民党県連の公募にオリンピックメダリストが応募するなど、与野党ともに動きが活発になっています。

7月6日、新潟市で行われた自民党の県連大会。党本部から森山裕総務会長が来県し、イギリスやフランスなど世界で政権交代の流れがあることを踏まえ、9月の総裁選について釘を刺しました。
■自民党 森山裕総務会長
「今、日本が置かれている立場を国民と認識を一致させないといけない。この(総裁選の)選択を間違えては、えらいことになると思う。」

県連大会では、参院比例代表選出の佐藤信秋会長の続投が了承されたほか、新たな県連3役も決定。「原点に返る」とした森山総務会長と歩調を合わせ、来たる国政選挙に向けて党内の結束をアピールします。
■自民党県連 佐藤信秋会長
「自民党としての初心に帰って、県民・市民のためにみんなが尽くすんだと。一致団結することが一番大事。」

しかし、その足元はぐらついています。
こちらは、ANNが行った岸田内閣支持率の最新の世論調査。「支持する」が20%を割り込み、低調な支持率が続いています。この状況で、自民党内からも湧き上がる岸田総理の退陣論。

6月、新発田市で行われた斎藤洋明衆院議員の集会では、麻生副総裁も訪れる中で岸田総理の責任論に発言が及びました。
■自民党 斎藤洋明衆院議員
「何も裏で引きずり下ろすとかそういうことをする必要はない。岸田総裁は岸田総裁の考えで頑張っているが今、こういう状況に陥った責任は最終的に誰かが取らないといけない。リーダーの責任も大いに議論されるべき。」

裏金問題をめぐる岸田総理の対応に党内からも批判が湧き上がり、「岸田総理の下では戦えない」という焦りが背景にあります。
■自民党 高鳥修一衆院議員
「(Q.自民党は過半数を取れる?)非常に厳しいと思う。大将は部下を守るために最後は責任を負うものだと思っている。今の状況からすれば、岸田総理もその一人。」

一方の野党。先月閉会した国会では、立憲民主党が岸田内閣への不信任決議案を提出するなど、早期の解散総選挙を求めてきました。
■立憲民主党県連 西村ちなみ代表
「自民党県連の中でも岸田さんでは選挙を戦えないとかトップが責任を取るべきと言っているが、ならばなぜ不信任決議案に反対したのか。こうなったからには政権を変えるしかない。」

◆立憲民主党県連 米山隆一幹事長
「ある程度、多少風が立憲民主党にも吹いている。一層の体制固めをお願いしたい。」

立憲民主党からも党幹部が来県し、自民党の裏金問題に対し批判を強めます。
■立憲民主党 岡田克也幹事長
「私は本当にびっくりしている。何にびっくりしているかというと岸田政権のこの問題に対するいい加減さ。9月の総裁選に突入して岸田総理は盛りかえそうと思っているかもしれないが、たぶん自民党の多くの議員が考えているのは人気者を、総理にしてすぐ解散しようと。」

野党の勢いが増すかに思われた矢先、先日の都知事選ではかつて立憲民主党の代表代行も務め、党が全面支援した蓮舫氏が惨敗。野党共闘も見直すべきとの声があがるなど、こちらも厳しい状況です。
こうした中で加速するのが、来年夏の参議院選挙に向けた動きです。

立憲民主党県連は、現職の打越さく良参院議員の擁立を決定。党本部に公認を申請する方針です。
■立憲民主党 打越さく良参院議員
「政治不信の高まりを伺ってきた。一人ひとりを大切にする政治をというのは私が頑張らないとと思っているので、それは変わらない。」

一方、自民党県連は6日から参院選の候補者を選ぶ公募を開始しました。
■自民党県連 岩村良一幹事長
「自民党が低調。水面下での動きはあったにせよ、表面で手を挙げる人がいなかった。」

その「水面下」では、県内選出の国会議員などが知名度のあるオリンピックメダリストの中村真衣さんの擁立を目指して動いていたほか、国とのパイプを重視する観点から国土交通省の事務方トップを歴任した佐藤信秋県連会長を推す声が一部でありました。
その中村真衣さんは、先週参院選の候補者公募に応募。長岡市出身で2000年のシドニーオリンピックで銀メダルを獲得した中村さんは、「スポーツを通じて地域を盛り上げたい」と話しているということです。

中村さんの応募に、自民党県連内からは…
■県連幹部
「インパクトがある。素晴らしい方が応募してくれた。」
「支援者からの評判が思ったより良くびっくりしている。とにかく若いのがいい。この逆風を変えないといけない雰囲気を感じる。」

■自民党県連 岩村良一幹事長
「公募で今まで出なかった名前も出るだろうし、この状況で透明性ある、手続き的にも公平なやり方をすることが大事だ。」

参院選新潟選挙区の公募をめぐっては、新潟市の環境団体代表の男性も応募したということです。

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