【特集】能登半島地震の津波被害から復活へ-なおえつ海水浴場13日に待望の海開き【新潟・上越市】

津波の被害を受けた「なおえつ海水浴場」

能登半島地震から半年余り。津波の被害を受けた上越市のなおえつ海水浴場が今週末、海開きを迎えます。復活に向け奔走した関係者の思いを取材しました。

能登半島地震から約30分後、上越市に押し寄せた津波。なおえつ海水浴場にも津波が到達し、当時の映像には木材などが流される様子が記録されています。
施設の中は、原型をとどめていないほど大きな被害を受けました。
■なおえつ浜茶屋組合 桑原尚二組合長
「上越で津波被害って過去に聞いてもなかった。(地震発生の)次の日の朝に見たときに言葉が出なかった。」

なおえつ海水浴場は、遠浅の海と広い砂浜が家族連れなどに人気で、シーズン中は約4万人が訪れます。夏は、海の家が軒を連ねにぎわいを見せますが…津波が全てを押し流しました。
なおえつ海水浴場にある7軒の浜茶屋すべてが被災し、被害額は約1億円。浜茶屋組合の組合長・桑原尚二さんは復活に向け、動き始めます。
■なおえつ浜茶屋組合 桑原尚二組合長
「資材はそれぞれ事業主が持っているので、その片付け。あとは今年の夏(営業が)できるできないという話がある。」

4月、高田城址公園の観桜会の会場に店を出す桑原さんの姿がありました。
■なおえつ浜茶屋組合 桑原尚二組合長
「なんでホルモン焼きかっていうと、海で『もつ煮』がけっこう売れる。酒のつまみで。もつ煮じゃあれだからホルモン焼きにしようと思った。」
「今年も必ず『海をやりますよ』とPRを込めて、一番PRできる場所といえば高田の観桜会だと思った。」

夏を見据え浜茶屋で提供していたメニューを販売。売上を組合の営業資金にあてることにしました。
■なおえつ浜茶屋組合 桑原尚二組合長
「(客から)本当に心配してもらって『今年できるの』と声をかけてもらう。県外の方もいるし。出店して良かったと思う。」

あの日から半年。なおえつ海水浴場は復旧作業が進み、夏の営業ができると判断。7月1日に安全祈願祭を開きました。浜茶屋7軒のうち2軒が営業を断念したものの、残り5軒で海水浴客を迎えます。
■なおえつ浜茶屋組合 桑原尚二組合長
「本当に無理だと思った。何とかここまでたどり着いた。感謝しか無い。」

新たな津波対策にも取り組みます。営業中に津波警報などが出された場合、高台に避難できるよう海水浴場の近くに階段を設置しました。
■なおえつ浜茶屋組合 桑原尚二組合長
「まずは、きちんとお客さんに来てもらえる体制を整えたい。とにかく安心してお見えになっていただく。様子を見に来てもらうだけでもいいと思う。ぜひ遊びに来てもらいたい。」

津波被害を乗り越えた、なおえつ海水浴場。7月13日に海開きを迎えます。

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