河合優実「一緒に笑いながら、ご覧ください!」 『かぞかぞ』地上波放送前に喜びのコメント

7月9日よりNHKドラマ10枠で放送される『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』の初回放送を前に、主演の河合優実と原作者の岸田奈美よりコメントが寄せられた。

ベンチャー企業家だった父が急逝、母は突然車いすユーザーに、弟はダウン症、祖母はものわすれの症状が……。原作は、家族をめぐる、「楽しい」や「悲しい」など一言では説明ができない情報過多な日々の出来事を、作家・岸田奈美が綴った自伝的エッセー。ドラマでは、岸田が紡いだ笑えて泣けるエッセーに、家族や関係者への取材によるエピソード、独自の視点での脚色が加えられている。『勝手にふるえてろ』『ウェディング・ハイ』などの大九明子が演出を務めた。

河合が主人公・岸本七実を演じるほか、坂井真紀、吉田葵、錦戸亮、美保純、福地桃子、奥野瑛太、林遣都、古舘寛治、山田真歩がキャストに名を連ねている。

河合は地上波放送について、「昨年の放送後、反響を受け、異例の早さで地上波放送が決定したとの知らせを聞いていました。どこにもない面白いドラマができたぞ!と感じていたので、より広く皆さんに届けられることがものすごく嬉しいです」とコメントを寄せている。

■河合優実(岸本七実役)コメント
●地上波放送についての気持ち
昨年の放送後、反響を受け、異例の早さで地上波放送が決定したとの知らせを聞いていました。どこにもない面白いドラマができたぞ!と感じていたので、より広く皆さんに届けられることがものすごく嬉しいです。

●初の連ドラ主演作である本作を振り返って
岸本七実の人生には、私の人生に起きなかったことが、たくさん起こります。その時間を力の限り想像するところからこの役が始まりましたが、不思議なことに、気づけば七実と自分とがぴったり重なってしまうような体感に変わっていました。岸本七実の人物像、「かぞかぞ」という物語、ドラマが与えてくれた数々の素晴らしい出会い、制作現場が帯びていた熱、そして3カ月をかけて1人の人になるという連続ドラマならではの体験……色々な歯車があの時自分の中でガチっと噛み合って、奇跡的なものづくりの経験になったのだと思います。
感謝したい人がたくさんいる中で印象的だったことをひとつあげるとするならば、ダウン症のある弟・草太を演じた、吉田葵くんとの出会いです。透明に輝く心を持った、素晴らしい青年です。彼と密度の高い時間を過ごすことができ、まっすぐに心を通わせ合えたことが、自分がこの作品に取り組む中でとても大きなエネルギーになったと思います。

●父親役を演じた錦戸亮とは『不適切にもほどがある!』では夫婦役だったことについて
まさか、こんなに短い期間でまたご一緒できるとも、親子の次に夫婦とも、思ってもみなかったです。同じく宮藤官九郎さん脚本で、錦戸さん主演のドラマ『ごめんね青春!』を10年前にテレビの前で食い入るように見ていた中学生の私に伝えたらすごくびっくりすると思います。
どちらの現場でも実は共演シーンの数がすごく多かったわけではなかったのですが、「家族だから~」の現場では、思い悩む私に、そんなに考えこみすぎずちゃんと休み休みやりなねと父のような兄のような笑顔と優しさをくれました。そんな言葉を軽やかにかけてくれながらも、面と向かって言葉を交わすシーンでは、なんというか錦戸さんの瞳と肉体から父の愛情が溢れてきて、その大きな熱を私も受け止めました。鮮明に覚えています。
思慮深く、心ある方だと思っています。

●視聴者へのメッセージ
他者との繋がりがどんどん希薄になる今、岸本家が強く強く手を繋ぎあって大笑いしながら明日へ進んでいく姿に、私は力をもらいました。愉快で、たいへんで、楽しくて、どうしようもなくて、うるさくて、むかついて、おもろくて、そんなこんなで生きている人々の物語です。たとえ生きている境遇が違っても、観てくださる皆さんにとって、このドラマが、人生讃歌になったら良いなと思います。
良いドラマです!一緒に笑いながら、ご覧ください!

■岸田奈美(原作者)コメント
奇跡のようなドラマです。どこにもないのに、どこにでもある家族。笑って泣いて怒って驚いて、ありとあらゆる感情のジェットコースター。観ているだけなのに、まるで同じ人生を歩んでいるかと思うほど愛おしくなる演者たち。
昨年の初回放送から会う人、会う人に「とにかく第一話を観てくれ!」と、もう何度言ったかわかりません。度肝を抜きにかかってくる第一話を観てしまえば、もう、あなたは岸本家を応援せずにはいられません。家族という言葉を越えて、家族を描き出すことで、家族を救う本作が、たくさんの人のもとに届く日がやってきて、本当に嬉しいです。
河合優実さんが主人公・七実を演じてくれたことの喜びを、わたしはきっと、岸田家の末裔まで語り継ぎます。成長していった七実と、七実の中で成長していった優実さんの姿に、今もずっと支えられています。わたしが流せなかった涙を、あんなふうに流してくださって、本当にありがとうございました。

(文=リアルサウンド編集部)

© 株式会社blueprint