数十年前より紫外線が強まっているってホント?意外と知らない紫外線のウソ・ホントを気象予報士と確認しよう!

日に日に強まる太陽の光に、紫外線対策をしっかりしなきゃ!と感じている人は多いと思います。でも紫外線のことって、当たり前のようで意外と知らないことが多いかも!?

今回は、気象予報士・防災士・野菜ソムリエとして活躍する植松愛実さんに、これからの季節にぜひ知っておきたい紫外線のウソ・ホントを解説してもらいます!

太陽の光に暑さを感じるときほど日焼けしやすい?

じつは暑さと紫外線の強さは直接関係ありません。というのも、太陽光に含まれる光線のうち暑さを感じさせるのはおもに「赤外線」であって、紫外線ではないためです。
つまり、「今日は暑いから紫外線対策をしっかりしよう」「あんまり暑くないからほどほどにしよう」といった判断は意味がないのです。

ときどき日陰に入れば日焼けしにくい?

日ざしを長時間あびると日焼けしやすいのは、もちろんそうですよね。では、たとえば30分ごとに日陰に入って日ざしをさえぎり、連続して日ざしをあびないようにすれば、日焼けは防げるのでしょうか…?
じつは、日焼けの度合いは紫外線をあびた合計時間で決まってくるので、連続していたか中断があったかは関係ありません。

ただ、熱中症を防ぐためには有効なので、ときどき日陰で休憩しながらついでに日焼け止めクリームを塗り直すのがおすすめです。

水辺では日焼けしにくい?

川沿いなどの水辺ですごすと、いつもより涼しく感じて紫外線も弱まっている気がしますよね。ところが実際には逆で、水面による反射で紫外線は増幅されています。これは川でも海でも同様で、特に海では砂浜も紫外線を効率よく反射するのでさらに増幅されます。

ちなみに、たとえ水のなかにもぐっていたとしても、紫外線はわずかしか減りません。

最近は数十年前より紫外線が強まっている?

気象衛星から見た地球(画像提供:気象庁)

これはホントです。というのも、高度経済成長期に深刻化していた大気汚染は現在解消されていて、最近の大気は数十年前よりも透明度が上がっています。
そのため、大気をとおりぬけて地上に届く紫外線は増えることになり、私たちがあびる紫外線は数十年前よりも強まっているのです。

正しい知識で紫外線とうまく付き合おう!

身近な存在なのに、意外と特徴を知らない紫外線。しかしちょっとした思い込みが紫外線対策の油断につながってしまい、あとから後悔することも…。これから1年でもっとも紫外線をあびる季節、どこへ行っても紫外線の影響を受けることになりますので、紫外線のことを正しく知ってうまく付き合っていきましょう。

■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。Instagramは「@megumi_kitchen_and_atelier」。
編集/サンキュ!編集部

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