【体験談】神奈川県で「3600万円」の注文住宅を建てた夫婦の後悔とは

建築費、住宅取得費は上昇の一途をたどる

一般社団法人住宅生産団体連合会が戸建注文住宅の顧客ニーズの変化を把握することを目的として行った「2022年度戸建注文住宅の顧客実態調査」によると、世帯主年齢の平均は40.6歳で30歳代の割合が高く、「親と子世帯」が52.4%を占めているそうです。

また建築費は4224万円で前年度の調査よりも408万円高くなり、土地代を加えた住宅取得費も6370万円となっていて、こちらも前年度よりも587万円高くなっています。

そして建築費の1㎡単価は34万2000円で前年度から3万6000円上昇し、住宅取得費の世帯年収倍率は6.8倍となっているそうです。

一方、住宅の延べ床面積は123.6㎡で、こちらは2015年以降縮小傾向が続いているとのことです。

これらのことから、建築費、住宅取得費が上昇している一方で、延べ床面積を抑えることで予算内に収めようとしていることが推測できます。

注文住宅は間取りや設備、仕様などを建築主が比較的自由に選択できることがメリットですが、一方では予算内に収めるためにできるだけ無駄なものを省くことが求められます。

しかしほとんどの方が一生に一度きりの経験しかない中で、正しい選択をするのは簡単なことではありません。

国土交通省住宅局「令和4年度住宅市場動向調査報告書」によると、注文住宅を建てる際の「情報収集」として76%の人がインターネットを活用しています。

そこで本記事では実際に注文住宅を建てた方の体験談から、後悔した点と満足した点を紹介します。

是非マイホームづくりの参考にしてください。

今回の事例は、次のような方の実際の体験談になります。

  • 【居住地】 神奈川県
  • 【購入金額】 3600万円
  • 【現在の年齢】 30歳代
  • 【購入時の年齢】30歳代

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

注文住宅で後悔した点1:専用の収納部屋がムダに…

【写真1枚目/全3枚】専用の収納部屋がムダになり後悔…/注文住宅での後悔エピソードも次ページから

「衣類や家具、楽器類などの専用の収納部屋を作ったが、ほとんど利用していない」

特定のモノ専用の収納部屋をつくるメリットは大きなサイズの荷物でも収納することができて、居室のスペースを広く活用できる点にあるといえるでしょう。

しかし人によっては、楽器類などの趣味に関わるものやお気に入りの衣服などは自分の身近な場所に置いておきたいと思うものです。

そしてたとえ収納する場所があっても、そこまで行くのが面倒になるようでは結局無駄になってしまいます。

したがって「とりあえず収納専用の部屋を作っておけば問題ないだろう」と考えるのではなく、あらかじめ「そこには何を収納したいのか」を具体的にイメージしておくことが大切です。

注文住宅で後悔した点2:玄関の下足箱が大きくて邪魔

「玄関に大きめの靴箱を設置したものの実際はそれほど靴を収納することはなく、スペースばかり取って邪魔に感じることが多い」

玄関廻りはスペースが限られてしまうことが多いので、家族の靴がどのくらいあるのか、ブーツや長靴などの高さがある靴がどのくらいあるのかなどを事前によく把握して、ご家庭のニーズに合わせたシューズボックスを選ぶようにしましょう。

注文住宅で後悔した点3:洗面所が狭くて窮屈

「洗面所が狭く、ドアを開けてすぐの位置に洗濯機と乾燥機があるので余計に窮屈に感じる」

洗面所の広さを決める際には、洗面所と脱衣室を同じスペースにするのか、洗面台や洗濯機、乾燥機を配置した際に不便がないか等を事前によく確認しておく必要があります。

また家族構成も洗面所の広さを決める際の重要なポイントになります。

家族が多い場合には、朝の身支度のために家族の洗面所の利用が集中して混雑してしまうことがあります。

そのような場合には洗面所の面積を広くすると共に、洗面ボウルを2つ設置しておくといった方法があります。

注文住宅で後悔した点4:リビングが暑すぎる

「開放感を出すためにリビングに3つの大きめの窓を設置したが、夏は容赦なく日差しが部屋に差し込むのでとにかく暑い」

壁には断熱材を入れることができるので熱の移動を防ぐことができますが、窓からは熱が容易に出入りできるので、大きな窓があると室内では特に夏場の暑さが厳しくなってしまいがちです。

したがって大きめの窓を複数箇所設置する際には、二重窓や断熱ガラスを採用することをお奨めします。

二重窓や断熱ガラスは断熱効果が高いので、夏場の暑さ対策はもちろん、冬の寒さ対策にも効果を発揮します。

注文住宅で後悔した点5:1階に寝室を作ればよかった

「1階のリビングと生活スペースを分けるために2階に寝室を設けたが、親の介護が必要になった時のことを考えて、1階に大きめのリビング兼寝室を作れば良かった」

マイホームのプランを検討する上では、子供の成長や老後の暮らし、親の介護といった将来を見据えた暮らしのイメージを頭に入れておくことが非常に重要になります。

ここまで注文住宅で後悔したポイントを掲載してきました。

次章では注文住宅の満足ポイントに関する体験談を見てみましょう。

注文住宅で満足した点1:カウンターキッチンが便利

注文住宅で満足した点1:カウンターキッチンが便利

「リビングに程よい高さのカウンターキッチンを配置したため、子供の様子を把握しながら調理ができるのが良かった」

カウンターキッチンはリビングとキッチンが空間的につながるため開放感があるのがメリットで、家族とのコミュニケーションが取りやすく、小さな子供がいる場合には調理をしながらでも子供の様子を見ることができます。

しかし一方では、リビングに汚れや臭いが広がりやすい、外からキッチン内の様子が見えるといったデメリットもあるので、清潔感のあるキッチンを保つためにはこまめな清掃・手入れが不可欠となります。

注文住宅で満足した点2:玄関の近くにトイレをつけてよかった

「玄関ドアを開けてすぐ近くにトイレがあるので、帰宅直後や外出前などにスムーズにトイレが利用できて良かった」

玄関近くにトイレがあるとこれらのほかに、居室から離れているので音漏れを気にせずトイレを利用できる、来客がトイレを利用しやすいなどのメリットがある一方で、玄関に来客中だとトイレに入りにくい、玄関にトイレの臭いが伝わりやすいといったデメリットがあります。

したがってメリットとデメリットを良く検討した上でトイレの位置を決めることが大切です。

注文住宅で満足した点3:天井を高くした

「リビングの天井を高めにしているので、開放感があってゆっくりとくつろげるのが良かった」

家族が集まって過ごすことが多いリビングは天井高を高くすることで圧迫感がなくなり、快適に過ごすことができるようになります。

しかし冷暖房効率が悪くなって光熱費がかかるといったデメリットもあるので、事前にデメリットについても知っておくことが大切です。

注文住宅で満足した点4:子供部屋を広くした

注文住宅で満足した点4:子供部屋を広くした

「子供部屋を広くしたので、二段ベッドと学習用のデスクを置いても掃除がしやすくて良かった」

子供部屋が広いとこれらのほかに子供が大きくなってモノが増えても対応できる、スペースが広いので子供が快適に過ごすことができるといったメリットがある反面で、快適過ぎるので子供が部屋に閉じこもってしまいがちで、掃除や片付けにも手間がかかるなどのデメリットがあります。

また子供は、将来は独立して家を出て行ってしまうので、将来の用途を見込んだうえで最適な広さを選択することが求められます。

注文住宅で満足した点5:フリースペースを作った

「リビング以外に簡単な仕切りを設置した3帖ほどのフリースペースがあるので、来客時に対応できて便利だった」

フリースペースがあるとさまざまな用途に対応することができるので、家の中にも「ゆとり」が生まれます。

しかし使い勝手が悪いといつの間にか物置になってしまったということにもなりかねないので、採光や通風の確保、エアコンの設置等を事前によく検討しておく必要があります。

まとめ

注文住宅を建てて後悔しないためには、「建てた家でどのような生活をしたいのか」を具体的にイメージしておくことが重要です。

イメージが曖昧なままで勢いだけで建築してしまうと必ず後悔することになります。

まずは多くのモデルハウスや他の人の体験談などを参考にして、具体的なイメージづくりをすることから始めましょう。

参考資料

  • 一般社団法人住宅生産団体連合会「2022年度戸建注文住宅の顧客実態調査」
  • 国土交通省住宅局「令和4年度住宅市場動向調査報告書」

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